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第169話

アイスは3秒ルールで無事だった! 「えーっと?つまり……菊池先輩と今度会うときエッチすることになったよーと?そういうことですか?」 「うん、今になって急に不安になって……というか……き、緊張してきちゃって」 「うんうんそうだね。緊張するよな」 「詩先輩に是非色々と聞きたくて、聞いて欲しくて!マッハでやってきました!」 「詩先輩って……」 「だって詩って宮ノ内先輩と沢山セックスしてるだろ?」 「う、沢山って!」 た、沢山って? どれくらいすれば沢山なんだ!? 霧緒とのエッチって多いの少ないの?どっちなの!? 玲二のキラキラした瞳で聞かれると、何だろう心が痛い。 「いやぁあの……どうだろ……」 「最初の時って、緊張した?」 「も、もちろんした!緊張した!」 「そうだよね。僕は今からもう……緊張してる」 当然玲二も抱かれる側だろうなぁー。なんて思いつつ、俯きドキドキしている玲二の気持ちがよくわかった。 そうなんだよなー。めっちゃ緊張するんだよなー初エッチの時って…… 正直いっぱいいっぱいでよく覚えて……いや覚えているなぁ……覚えてるけど、は、は、恥ずかしくて思い出したくない。 「んー玲二がさ、緊張してるってことは、菊池先輩も同じくらい緊張してると思うよ」 「え、そうかな」 「その時の霧緒の鼓動、俺と同じくらい早かった。霧緒もドキドキしてるんだって思ったら嬉しくなって緊張も解れた気がした。今度会ったときに菊池先輩の心臓の音聞いてみて?めっちゃ早いはずだから!」 「う、うん!聞いてみる!ねぇねぇ……やっぱり痛いの?」 「!う……うん……まぁ、あの痛いというか苦しいというか……」 いやー!恥ずかしい! 玲二、そんな希望に満ち溢れたうるうるした瞳で俺を見るな! 霧緒にあんあんヘロヘロにされてる自分の姿が脳裏をよぎって、どうにもこうにも…恥ずかしい……いやん、無理。 「何か詩の顔、ニヨニヨしててキモイよ」 「だー!俺の心を見るなー!」 「イヤ見えないって……顔!顔!緩んでる!エロきも!」 「この世の男はみんなエロいんだ!仕方ないだろー!」 アイス食いながら二人でニヤニヤエロ話に花を咲かせる。 玲二は遠慮なく恥ずかしい言葉をぶっこんで来るから困るけど、それがなんだか玲二の見た目とギャップがあっておかしい。 スッゲー一生懸命だなぁ。 涼し気な目元で一見クールに見える玲二だけど、雰囲気は穏やかで優しい空気をまとっている。 眠そうな瞳とクマは相変わらずだ。 話を聞けば聞くほど、玲二が菊池先輩の事を凄く好きだって言うのが伝わってきて、俺まで幸せな気分になってくる。 ヤバい玲二が可愛い! 話の最後はなぜか樹海と豚小屋ではどちらがレベルが上か?って謎のテーマで終わったけど、その頃にはいつもの穏やかな玲二に戻っていた。 ガンバレ玲二!

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