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第178話
「実家?…そういえば言ってたな。いつまで?」
「お盆終わるまでかなぁ。夏休み入ったらすぐ帰る予定だったんだけどさ」
霧緒の家にお惣菜のお裾分けしに来た俺は、タッパーを冷蔵庫にしまいながら、実家の事を霧緒と話していた。
相変わらずこの家の冷蔵庫の中は飲み物くらいしか入ってない。冷凍庫には沢山の冷凍食品。
それでも頻繁にうちからおかずを持って行ってるのもあって、霧緒の体調は以前より良好。
受験生だし、体調管理は基本だものね。
うちのばあちゃんも霧緒の事は自分の孫のようだって言ってて、料理するときは霧緒の分も入れて多めに作ってる。
「俺の誕生日あったからな。家族にゆっくり会えるの夏休みくらいだし帰ったら?」
「う、うん…そうだよな…うん…」
「…あ、ひょっとして、その間俺に会えないの寂しかったりしてるの?」
「え、あああいやあ…そんなっそんな!」
ちょ…?!何でバレるんだっ!恥ずかしいじゃん!
「ぷ、わっかりやす!」
わ、分かりやすいって…何…顔に書いてある?
「あああのさ!霧緒はお盆はどうするの?予備校休みになるんだろ?」
「ん、休みだけど」
「じゃぁ、俺の実家来ない?うちの家族も霧緒なら大歓迎だって!」
「あー、行って詩を嫁に下さいって言えばいいの?」
「!!!!!」
「はいはい、そのリアクション面白いから。……こっちおいで?」
「………な、なに」
おいでおいでされ、近づくとソファに座っている霧緒の膝の上にのせられた。
膝の上です……
24時間イケメンなこの先輩の眼差しは無機質で、冷たい印象だけど俺には優しく見える。
で、睫毛が長くて下睫毛も長くて…エロカッコいい…
何度も見つめ合っているのに、その視線に慣れることはなくていまだに俺はドキドキしてしまう。
だから今の俺の心臓はドキドキしているんだ~!
「有り難う…お言葉に甘える。詩の実家どんなところか気になるし行きたい」
「うん…家に霧緒のこと言っておく」
「よろしく」
「あ……お、俺が実家帰ってる間。…う、浮気すんなよ…」
「………」
「ん…霧緒?聞いてんのか」
「あ、あー何…もう一度言って?ちょっと待って動画に収めるから」
「なんで!」
「詩がそんなこと言うのレアだなって…嬉しくて…興奮してくる」
「!ば、馬鹿っ!」
「詩こそ…浮気したら…ただじゃおかないから…ね?」
「…き、霧緒が言うと凄味が…ん…っ」
ちゅっと顎に霧緒の唇が触れぺろりと舐められた。
首筋に唇が這いまわり、くすぐったさと甘い雰囲気で恥ずかしさが増してくる。
「いい匂い…」
「ン…ちょっ…」
身体がぶるっと震えたのは、霧緒の手がシャツの中に滑り込み背中を撫でるからだ。
指先で優しくなぞるから……やらしいんだって。
「…あ、あの…」
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