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第195話
はぁ……早々に粗相をしてしまった。
「……霧緒ごめん」
「ん、気にすんな。……ぷ」
うう……霧緒は思いだし笑いをし、鼻にティッシュをつめつめしてる俺を見てまた笑って、それを怒る訳にもいかず、ただひたすら反省する俺だった。
正座だ正座。
霧緒は別の服に着替えていて、血で汚れたシャツはすぐ洗って何とかシミにならずにすんだ。
「もう止まっただろ。ったく……興奮し過ぎなんだって」
「うん……」
居間で冷たい緑茶を飲みながら呟く。
「阿保な弟で本当ごめんなさいねー。こんなタイミングで鼻血出すって信じられないわ」
「あ、いえ面白いんで平気です。これくらい慣れてるんで」
「これくらい?慣れてる?詩~?あなた霧緒くんに色々迷惑かけてるんじゃないでしょうね」
じろりと清江に睨まれた。
「な、ない!全然ないです!」
言えないことは多々あるけど迷惑はかけていない!
と、思う!!
「何か心配なのよねぇこの子……よくご近所さんとか親戚から詩くんは落ち着いてるってねって言われるんだけど、本当は全然そんなことないし。たまに思いつきで変な行動するし危なっかしいのよね」
(確かに)
そう霧緒が同意しているのが見てわかった。
ぐぬぬ……何も言えない自分がおります。
「今は私たちと離れて暮らしてるから、はじめは心配で心配で、詩は椿のおばあちゃんには本当感謝しなさいよー!」
「わかってるよー!」
「……それにしてもさぁ。霧緒くんって本当カッコいいよね。ねぇ、つき合ってる子とかいないの?」
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