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第202話

だ!だから!!何考えてんだよ! うちの姉は!! 華江姉さんに呼ばれて、霧緒が使っている客間に行くと、そこにはすでに布団が敷かれていた。 ……ふ、二組。 ぴったりとくっつけて…… さすがにこれを見た霧緒も疑問に思ったらしく、顎に指を添えて思案していた。 「お布団敷いておいたからね。折角霧緒くんが来てくれたんだから、詩もここで寝た方が嬉しいでしょ」 華江姉ちゃんがルンルンで枕を並べているけど、俺たち夫婦じゃねぇから!枕もくっつけんなって! 「ね、ねぇちゃん……」 「宿題、ちゃんと霧緒くんに見てもらいなさいね。詩!頑張って!!おやすみなさい!」 「「おやすみなさい……」」 ……バタン…… 「…これって」 「」 「どうぞ弟と寝てくださいってこと?」 「」 「性的な意味で……進められてる?詩」 「……俺も……わ、わからない」 この現状を見るとそんな感じに捉えることができるけど。最後の「頑張って!」の言葉が何にかかってるかわからない。 でもこれは……これは絶対に危険だ。 俺の長年の経験が、危険だと警告している。 勉強道具をテーブルに置きつつ、先日姉たちが話していたことを霧緒に説明した。 変な姉たちでごめん!! 「ふーん……つまり」 「……はい」 「もれなく山がついてくるのか……スゲー」 「それなイヤ……注目そこじゃなくて!」 「俺と詩をくっつけたがってるってことか。面白い姉さんたちだな。それなら話が早いじゃん」 「そう言ってる様に聞こえるけど、何か自信ない。姉ちゃん達、結構ノリでふざけたりするし……」 そう……ああいうテンションで話してる姉たちは半分冗談の時が多い。 「おい、これスペル違う……」 「え」 トントンと指でさされた個所は、どうしても覚えられない単語。 「答えは簡単」 「簡単なのはわかるけど、いつも間違えるんだよー」 「まぁ、初日だし様子見するのが一番かな……」 「え?」 「ここでうっかり欲望のまま詩を抱いたら、後悔しそうだし。うちの弟に何してんだ!ってなぎなたで刺されるパターンもありそう?詩はそういうのを心配してるんだろ?」 「う」 それめっちゃありそう!! 「……俺は今すぐ抱きたいけど……」 頬杖つきながら、色気たっぷりに囁くこの彼氏……エロい……

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