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第203話
そう言った色気たっぷりの彼氏は溜息をつき……
「でも仕方ない。今夜は健全な高校生しますか」
「はい……それでお願いします」
そう言いながらも霧緒は俺の左手を握り優しく指先でなぞってくる。
掌をくすぐったり指の間を撫でたり……
「ちょ、ちょっと?」
お、落ち着かない!
落ち着かないし、その触り方!誘ってるみたいなんだけど!ゾワゾワしてくるから!
今それやるの反則だろー!!
「あーあ、意地悪だよねーお姉さんたち。本当生殺しー」
「き、霧緒それやめぃ。健全な高校生すんだろ」
「あ、ここ……惜しいな」
「え」
その問題に気をとられた瞬間、くいと腕を引っ張られる。
!
かぷ!
唇と唇が重なる……
半開きにしてたので、熱い厚みのある舌が俺の口内にスルリと侵入し、水音をたてた。
くちゅ……
うぁ……ああああ……
久しぶりで、しかも濃厚なキスに目眩がする。
視界が一瞬真っ白になり、抵抗する余裕もない。
徐々に視界が戻ると形のよい眉や長いまつ毛、サラサラな髪が目の前に現れる。
ゆっくり瞳が開き互いの視線が絡むと、恥ずかしさといとおしさで胸がいっぱいになってしまう。
うう……
馬鹿野郎何してんだよー!
健全男子から程遠いエロ面して!
「は……ンぁ……」
名残惜しそうに唇が離れるけど、本当……身体が溶けてしまいそうで、このまま思い切り霧緒の胸に飛び込んでしまいたくなる。
顔が近い……
「これくらいはしてもイイよな……」
俺の下唇をちろりと舐められ、霧緒のクールな瞳が妖しく光る。
言ってることとやってることが違うから!!
れ、冷静になれ俺!!
ブンブンと首を振る。
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