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第207話

「朝早く目が覚めたから散歩にでも行こうと思って外でたら、おじいさんから畑のお誘いがあってさ。あ、一度は声かけたからな」 「ん、そうなの?」 「起きねぇし、ふにゃふにゃした顔して幸せそうに寝てたからそのまま寝かせておいたんだよ」 「あ、有り難うございます」 自分たちが使った二組の布団を畳み押し入れにしまう。 前の晩寝れていないせいもあってマジで一度も起きなかった。 久しぶりに霧緒と一緒なのに、一緒に布団並べて寝たのに……あああ勿体ない! 「詩の寝顔……スゲー可愛くて堪能させてもらった」 「!」 「乳首触ると、身体震わせて甘く喘ぐんだぜ…」 「!!!?」 「詩くン……やらしい……」 ふいにイイ声で耳元で囁かれ、ドキッとしてしまった。 「わわわーーーー!!変態っ!」 「変態って失礼な」 「今の嘘だからって言って!」 「あ、これはマジだって」 「ひょー!!」 知らぬ間に恥ずかしいことをされていたとは! 気がつけよ自分! 「ま、でもさー…浴衣着てセックスするってもの雰囲気出てよさそうだよな」 「…は?」 朝からうちの実家でエロ妄想してるこの変態……大丈夫だろうか。 どこに居ても、安定したブレのないその思想ある意味尊敬する。 「そうだ、畑。おじいさんの畑凄かった。夏野菜沢山あったぞ」 「うん、トマトメインで作ってるけど、家用にに色々野菜作ってるんだよね。楽しかった?」 「楽しかった。野菜収穫したことないから貴重な体験させてもらったな。後から華江さんが来て手伝ってくれた」 「もっちーとも仲良くなれたんじゃないのー?もふもふした?」 「もふもふはあれだけど、連れて散歩できた……かな」 「そっかー!あーやっぱり俺も行きたかったな!!」 「でもお前がいないおかげで色々話ができたから……よかった」 「話?うわっ!」 急に頭をわしわし撫でられて驚いた!ってスゲー髪乱れたんだけど! 「こらー!ご飯食べなさーい!」 清江の大きな声が萩生家に響き渡った。

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