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第217話

小さい頃から遊び場の一つだったこの場所。 鬼ごっこも、かくれんぼもした。 「うぁ……ん……」 腰に霧緒の手が回り、後頭部を固定されて互いの身体が密着する。 角度を変えるとき入る空気を、吸い込みながら一生懸命舌を絡ませる……けど…… 毎度毎度いっぱいいっぱいで、もう息ができない。 唾液が混ざり合い、飲み込むのが追い付かない。たらりと顎を伝うのがわかり恥ずかしくなる。 でも…… 気持ちが高まり、ドキドキするのがわかって止められない。 い、いかん…… ちょーーー気持ちが……イイ…… 「ううあ……ん」 口内を隙間なく堪能され、上唇下唇と舐め上げられれば、もう膝がかくかくしてきて倒れそうだ。 相変わらずキスが上手い…… 「……詩、何食った……?」 「あ、あの……たこ焼き……食いました……」 「……ふうん」 「あの……あの……うあっ!」 !! はむっと再び唇を吸われ、舌が絡み合う。だ、駄目……そんなにされたら溺れるから! ぎゅっと霧緒の背中に腕をまわし、しがみついてしまう。 今まで抑え込んでいたものが溢れてしまうよ。 馬鹿---!! キスが深くなればなるほど、お互いの息が荒くなる。 「は、は、もう……ちょっと……たんま……」 「……は……何唇触らせてんだよ」 「……え」 「指で何回も拭ってもらって、イチャイチャしやがって。仲良すぎ近すぎ触らせ過ぎだ馬鹿」 「……え、え?……えと……それよっちゃんとのこと?見てたの?」 「距離あったけど、見てた」 「……声……かけろよ」 「できるわけないだろ」 「なんで」 「近づいたらお前の幼馴染をぶん殴ってるから……あいつが詩にその気があったら我慢なんかしないけど」 「あ、あるわけないだろっ!よっちゃんだぞ!はぐ……っ」 また口をふさがれ、息が詰まる。 くちゅくちゅと水音が響き、耳を犯すたびに身体がふるりと震えてしまう。 「はぁ……も、もしかして……キスばかりするのはそのせい?」 霧緒のキスから逃れ、乱れる呼吸を整えながら呟く。 いつもより濃厚で強引でしつこい。 俺の両肩に腕を軽くのせ、髪を優しく撫でられる。 お互いの前髪が触れるとよい香りがした。 顔を覗きこまれ、ニヤリと笑うその顔は妖艶でとびきりエロかった。 「キスばかりで不満?何かリクエストある?」 「……!」 「それとさ、嫌な予感ってどんな予感?」 「!!え、えと」 「嫌とか言いながら、結構期待してたりする?」

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