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第218話

「……うぁ」 質問に答える間もなく、耳から顎を舌でなぞられ、膝カックン状態で、立ってるのがツラい。 前髪の隙間から俺を見つめてくる瞳は、お久しぶりなくらいギラギラしてる。 するりと霧緒の手が襟から侵入し、胸の突起を摘ままれた。 石垣にもたれ、胸の突起を撫でられクリクリと遊ばれる。 向き合う霧緒の肩に顔をこすりつけて、羞恥と刺激に耐えるのが精一杯だ。 「……顔が見えないから……詩」 「だ、だって……あのリクエストまだしてな……」 肩を掴まれて無理やり上を向かされてると、キスが顔に降ってきた。 しつこいけど、俺がキス好きだって知ってるよね本当。 ……気持ち良すぎて涙が出てくる。 おでこから瞼、耳から頬へキスされ唇へ。 そんなの繰り返してたら、当然下半身は疼くわけで。自然ともじもじと腰が動いてしまう。 「リクエスト……何?」 さ、 触って欲しい…… もっと触れて欲しい。 それに……それに、脳裏に浮かぶのは、弓女ちゃんと霧緒が腕を組んで歩く先ほどの光景。 「……霧緒だって……弓女ちゃんと腕組んで楽しそうだったじゃん……」 霧緒に触っていいのは俺だけだし! 「……何……妬いた?」 「!……っ」 衿下からするりと手が侵入し、太ももの内側を撫でられる。 下から上に指先を添えるように、柔らかな部分をなぞられ、すでに熱く硬くなったものを包み込まれた。 「あ……」 「濡れすぎだって……ねぇ妬いた?あんな中学生に妬いたの?」 「あ……うぁ……」 キスしたせいでもう濡れてるし、勃ってるし。 霧緒はエンジン全開で、獣もびっくりするくらい発情している。 学校の踊り場でもしたことあったなぁ。とか考えてたら、ずるりと乱れた衽の間からパンツを引き下げられてしまった。 「ひゃ!ちょっ……!」 「スゲー、キスだけでこんなに濡れちゃうの?やらしいな」 耳元ではぁはぁ囁かれたら、更に感度はよくなるわけで、この状態であそこをいい感じに扱かれたら、速攻でイってしまう自信ある! でもちょっとまったーーー!! イケメンの顎を手の平で無理やり押し上げ、自分から引きはがす。 何かぐぇって言った気がするけど、そこはスルーだ! 「あ……あの!リクエストいいでしょか」 「……いいけど」 あ、ちょっと怒ってる…… 「浴衣汚さないでエッチしたい。頼む……これお願い……」 「……」 「あと……」 「……」 「あと……花火見たい。二人で……見ようぜ」 「……」 「お、俺だって!霧緒と一緒にかき氷食いたかったし。わたあめもやきそばもイカ焼きも食ってないし!……ぐす……浴衣着て、出店とか回って、一緒に花火見て……ぐすり……めっちゃ楽しみにしてたから……」 涙が零れるのをとめられない。 友達には悪いけど、本音は霧緒とお祭りデートしたかっただけなんだ。 思い描いていたのと違ってしまったけど、皆楽しそうだし、これはこれでいいと納得させていたけど、途中で酷く寂しく感じてしまった。 何だかつまらない。 霧緒と一緒にいる弓女ちゃんや女の子たちが羨ましく感じたし、嫉妬したのも確かだ。 こういう時やっぱり女の子だったらって思ってしまう。 俺は男だし霧緒も男だし、やっぱり他人の目は気になる。 すると、おでことおでこがこつんと触れて、優しく抱きしめられてしまった。 「……詩」 見詰める霧緒の瞳は、やっぱりギラギラしてたけど、熱を含んだものへと変化し、愛おしさで溢れていた。 吐息が、甘い……

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