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第235話 *
霧緒
計算したわけでもなく、またまた近くにあったTシャツを着せただけ。
俺のも詩のも白いTシャツだったから、ただ取り間違えただけなんだけどさ。
…
やべぇ…すげぇ…
自分のシャツを恋人が着てるってだけで、こんなにもテンション上がるのか……
大きめにあいたのTシャツの首回りから色っぽい右肩が丸出しで、捲られた下から覗くぷくりと尖った乳首。
その周りに散らばる、自分がつけた小さな痣が異様に淫らで卑猥だ。
それを上から見下ろす優越感と、俺のモノだという独占欲が重なり気持ちが昂る。
おーめちゃくちゃ可愛い。
顔は押し付けた枕によってシワがつき、泣いた瞳も鼻も前髪もぺしゃんこになっていたけど、そんな状態でもとてもいとおしくて、もっと気持ちよくさせてあげたいと思う。
あ、でもここは人の家だから、盛大にイタせないんだった。
喘ぎを我慢しようと堪える姿に興奮し、もっと突いてやりたいけれどそうもいかない。それに涙目で優しくしてなんて言われたら、逆にめちゃくちゃに突きたくなるだろ。
俺はすでに詩の頭から指先や足先、尻の穴や可愛く濡らした先っちょまで舐めに舐めまわし、十分堪能し満足している。
おかげで気分は最高だ。
あとはこいつを満足させてあげたい。
ゆっくりと腰をスライドさせ、緩い刺激を与えていく。
いつもと違うペースだけど、ゆっくりと詩の好きなとこを攻めていく。
なんか感じまくってるのか、虚ろな表情をしている詩がヤバエロ……
快楽の波はじわじわと浸食していき、身体を襲っていく……って俺もなんだけど、お互いに果てるのはそう時間はかからなかった。
「…はぁ…はぁ…お、おれ…も…好キ…」
……イった後でその言葉。マジくるなぁ……
「はは……スゲー頑張ってたな…声…マジ必死」
「必死になる…だろ…!命かけてる……くらいの気持ちの覚悟だったんだから……はぁーー」
「そうだな、充電できて満足。詩の事マジ丸ごと食べた気分で最高」
「……ほ、捕食された気分です」
おでこごちんしながらそんな会話してる俺らって相当バカップルだよなぁ。
そう思いつつも、くりりとした丸い瞳や、赤らんだ唇を見つめると、またかぶりつきたいと思ってしまう。
はぁーーーー俺も相当ヤバいかな。
乱れた前髪を横に流してもらい、眉を撫でられたけど、何故か詩の方が嬉しそうにしていた。
…ん…あ…っと…
そうだ、まだ俺のチンコは詩の中にいる。
「…っ…はぁ…」
身をよじるとズルリと外れる鈍い刺激に、詩が小さく身体を震わせた。
「いっぱいでたな」
「…!ちょ自分のは自分でとる…!」
俺の手をはたき、顔を真っ赤にしながら自分のゴムを処理する。
「今更顔赤くしてどうすんだよ」
「…べ、別に…俺の勝手だろ…ん…?」
詩が何気なく視界に入った自分の着ているTシャツを眺めた。
「これ……俺のじゃない」
「……ん、それ俺の」
「……」
「手にしたのてっきり詩のシャツかと思ったら俺ので、面倒だからそのまま着せといた。彼シャツってやつ?自分の着させてセックスするとかさ興奮するよな」
「…ぁぁぁ…あうわ…」
そう素直に言うと、頭から湯気をだした詩が俺にもたれ掛かって来たので、優しく抱きしめてやった。
気絶?イヤ寝たのか……しばらくすると規則正しい寝息が聞こえる。
下半身丸出しだけど……おーい。
やれやれと下着とハーフパンツを履かせてやり、布団に寝かせてやる。
Tシャツを1枚カバンからひっぱりだして着替え、一緒に横になった。
温度が低かったので、汗はあまり掻いていない。
このままの温度設定だと風邪をひくかもしれないので、少し設定温度を上げておいた。
スヤスヤと寝息を立てる詩の寝顔を眺めながら微睡んでいった。
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