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第243話
……
本日2回目の茶は、カフェオレ……
相手のドリンクは……知らん!
内心ドキドキ焦りなからも、強引に連れてこられたのもあって妙にイライラしていた。
……
そして奴は席に座ってからずっと無言で俺のことを眺め続けていて、会話はない。
そんなに見んじゃねぇ……
「へ~女装しなくても、詩可愛いじゃん」
「……………で、何」
「え、ナンパだけど」
「ナンパしないって言ってたじゃん」
「あ、やっぱ覚えてるー!ほらー!やっぱりあの時の子君じゃん!」
ガーン!俺の馬鹿ー!
俺の反応を見て、ニヤニヤ笑う目の前の顔にやたら腹が立つ。
「あの時は女の子だと思ってたからそう言ったんだよ。まさか男の子だと思わなかったしー」
「……」
「俺……男の子の方に興味あるから。ここで詩に会えたの運命かもって思っちゃった」
へ?
「宮ノ内くんの恋人がさ、男とか面白いよね。俺あの時君に会って、何か興味持っちゃってさぁ。詩と仲良くなりたいなぁ~って思ってたから今日出会えたじゃん!本当運命だよね?」
「……あのさ、詩詩言ってるけど、お前誰だよ。学校どこ」
「俺?……んーそうだなぁ。マリンちゃんって呼んでいいよ?」
……う、っそくさー!って露骨な嘘じゃん。
調子よく喋るし、会話全部が胡散臭い。
霧緒のことは本当に知ってるみたいだけど、でもなんで俺の事も知ってるんだろう。
「宮ノ内霧緒って、この辺の学生には有名なんだよねー。ほらー誰が見てもカッコいいイケメンじゃん?生で見たのあの時が初めてだったけど、マジカッコいいよなぁ。しかもエロい」
そうだよなぁ。
霧緒のカッコよさは俺が良く良ーーく知ってるし、他校にもファンがいるって聞いたことあるけど……
「で、俺に何の用だよ。ただのナンパじゃないだろ」
「……んー詩って可愛いけど、意外と気が強いタイプ?」
「可愛いって……晩飯の時間になるから早く帰りたいだけ。要件あるならサッサと言って欲しいんだけど」
「……」
「用がないなら帰るぞ」
「あのさぁ……俺のお願い聞いて欲しいんだ~」
「……なんで」
「断ったら俺、ヤバいこと拡散しちゃうかもしれない。宮ノ内くんが男の子と付き合ってることとか、男の娘が恋人ってのも話題になるかなぁ~」
「……お、お前」
「詩って男の子だけど、線細いからこっち系にもモテそうなんだよなぁ。爽やか男子高校生って感じだけど、たまーに色っぽいし?あはは、エッチするとき、結構エロかったり?頻繁に愛されてるのかなぁ~彼に!」
ニヤニヤするその笑顔に、ブチ切れそうになる。
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