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第245話

マジか!! 屋内類。 玲二の弟ーーー!! まさかのまさか!? れ、玲二の弟と出会うとは思ってなかった。 こいつが玲二の弟? 「本当あいつさ、詩の話はするくせに、俺が会いたいって言っても、会わせてくれないんだぜ!菊っちはいいのに、何で詩は駄目なのかマジむかつくよなー!!」 予想外のチャラさでびっくりなんだけど。 玲二はこんなじゃべり方しないし、こんなだるい感じに座らない。 こんなニヤニヤしなーい! 全然似てないぞ! 菊っちってもしかして菊池先輩のこと!? な、なるほど……玲二から聞いてるから俺だってわかったのか…… だから霧緒と一緒にいる恋人を疑ったのも頷ける。 だってあの時の俺、まじ女の子になってたって我ながら思うのだ。うんうん! 玲二が俺に会わせたくないって言ってたのを思い出した。 って言うことは、こいつが男が好きだって件は本当だったのか。 てっきり作り話だと思ってた。 少し遅くなってしまったので、少し歩く速度をあげながら家路を急いだ。 …… とりあえず類と連絡先を交換して、詳しい詳細はまた後日ということになった。 悩みがあるって言っていたけど本当か? まだ半信半疑なんだけど、でも玲二の弟だし、相談に乗ることになった。 ……何故俺なんだ? 詩先輩は、そんなに人生経験豊富じゃないぞ? 「兄ちゃんには絶対!知られたくないことだから。俺と会ったこと!マジ……内緒で」 真剣な顔でそうお願いされてしまったので、玲二に報告するのも躊躇ってしまうなぁ。 ちゃんと学生証を見せてくれたってことは、俺を信用してくれたってことなんだろうし。 悩んでる奴のことをあまり他で話すもの良くないよなー。 とか思いつつ、今のうちは自分の胸だけにしまっておこうと思った。 「お隣さんは…お留守だな」 帰りながら隣の家の前に立ち止まり、宮ノ内家の明かりを確認する。 家の明かりは玄関だけで、他はついておらず真っ暗だ。 帰ってくるの遅いしなー。今日は会えないか。 ま、朝は毎日一緒に登校してるからいいんだけどね!

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