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第246話

テストを数日後に控えたある日、俺は宮ノ内先生のお宅へお邪魔しておりました。 はい、弁当持参でテスト勉強です。 …… 「お、お願い致します」 「じゃ、ここまで進めようか」 「……は、はい」 「できたら言って」 「……あ、あの、この大事な時期に俺のテスト勉強見てもらって大丈夫でしょうか?そちらさん、やること沢山あるのでは……」 「……詩が問題解いてる間に俺も進めてるから問題ないよ。むしろ詩の方が済まないと、落ち着かないくらいだから」 「……が、頑張ります」 「ん」 霧緒の部屋のテーブルに対座し、黙々とテスト勉強に勤しむ。 前回のテスト勉強の時よりも、さらにパワーアップした指導に、俺はひぃひぃ言いながら問題を解いていた。 彼の勉強に対する姿勢は真面目で真剣だ。 なんだろう……この研ぎ澄まされた感じ。 修行? うむ……人生修行だよな…… 無駄な事なんてひとつもないんだ……うんうん。 そんなことをぼーっとしながら考えていたら…… 「……ぃでっ!!」 ……デコぴんされたぁ~! おっかないよー! 追い詰められながら、少ない集中力で考える。 わからない所をすぐに教えてもらえるし、今まで解けなかった問題も解けるようになってきたから、ありがたいとは思っているんだけど。 「宮ノ内先生、できましたー」 「誰が先生だ」 身体から俺の魂が抜けそうになりながら夜遅くまで勉強する。 俺って……俺って偉いー! 「……うん、ここの範囲はわりとよく解けてるかな。じゃ、今日はここまでにするか」 「うえーい!やった!」 「もう遅いから、早く寝ろよ」 「ん」 最近は窓から窓のショートカットが便利で、あとは本当にベランダをぴょんと飛び越え寝るだけだ。 …… 自分のノートや教科書などを纏めた後、まだ問題を解いている途中の霧緒の横にすすすと行き、肩に顎を乗せ張り付いてみた。 「……ん、どした」 「……ちょ、ちょいと……ぬくもりお持ち帰りしたいと」 持っているシャーペンを置き、霧緒の手が頭を撫で背中をさすってくれる。 「ちゃんと明日起きろよ」 「…う、うん頑張る」 身体をこちらに向けて両手いっぱいに抱きしめてくれた。 テスト前だからエッチはしないけど、やっぱりぎゅぅくらいはしてもらいたい。 それでも撫でる手つきが腰に集中して、やらしいな。 「うへへ……これで寝れるわーじゃ、おやすみー!さらばー」 「ん、おやすみ」 ベランダに出て、ぴょんと飛び越え自分の部屋に戻った。なんて楽チンなんだ!! すでに寝る準備はしてるので、そのままごろりとベッドに横になる。 少しだけ霧緒の温もりと匂いがした…… あー早くテスト終われー!

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