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第247話

「……寒い」 次の日は寝坊もせずにちゃんと起きることができた。 朝方は冷えるのか、寒さで目が覚めてしまったのだ。 だって窓開けて寝てたし……冷えるはずだよね。 もう秋が近づいてる気がする。 「あ、そういえば、霧緒達って学園祭何やるの?」 霧緒といつものように登校。 学校に行けばすぐに離れてしまうけれど、とても貴重な二人の時間だ。 「あーお化け屋敷。廃 校 学 園」 「お化け屋敷?スゲー!楽しそう!もう担当とか決まった?脅かす役?」 「そ、呪われた保健室に迷い込んだ生徒に、謎の液体かける、保健の先生の役。詳細は秘密」 「…な、何それ妖しいっていうか、やら……」 え……やらしい…… 何だその設定は!謎の液体って何!!? 「かなり怖いから心して来いよ」 「う、うん」 「ちなみに菊池先輩は……」 「あいつは解剖好きな理科の先生役。無理やり理科準備室に引きずり込んで、ヤバーいことすんだって」 や、ヤバいことって…… 「宗太は結構イベント好きだからさ、実行委員も引き受けてるし、楽しそうにやってるよ」 「へー!そうなんだ!」 「ま、今年で最後だからな3年は」 「……そっか、そうだな。来年は霧緒達……いないんだもんなぁ」 卒業してしまったら、もうこうやって一緒に学校行けなくなるんだよな。 そんなことを思うと、胸が少し苦して寂しくなってしまった。 俺は初めて……霧緒にとっては最後の学園祭だ。 思い切り楽しみたい!

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