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第248話
俺たち1年のクラスの喫茶店も、着々と話が進んでいるらしい。
「へー仮装喫茶?」
「そう、ハロウィンが近いから、ベースはハロウィンの雰囲気で行こうってなったらしいよ。っていうか、色々意見が分かれて一つに纏まらなかったらしいんだよねー」
「ほー」
「ほら、仮装って括りなら、自分のやりたい仮装ができるだろ?」
「何?好きな仮装していいの?仮装かぁ……仮装……何がいいかぁ。俺パンダとか熊とかのかぶりものしてみたいな。あ、ハロウィンだからカボチャとか!それでチラシ配りとかさー楽しそう!」
「僕も何がいいかなぁ。ナイト、シャドウナイト、アサシンもいいなぁ。アーチャー!プリーストとか黒魔導士もカッコいいし。定番の魔法使いも捨てがたい!!」
おおお?玲二くんの瞳がキラキラしているぞ!なんだなんだ!?
「なにそれ、ゲームのキャラクター?」
「うん、キャラというか職業的な?楽しみだなー!」
「うんうんっ!楽しみだ!」
そんな俺たちのなにげなーい会話を、真剣に聞いてるクラスメイトがいたとはつゆ知らず。
「……おい……聞いたかなっち。萩生が着ぐるみだって!カボチャ?ありえねー!マジもったいない!!脱げよ!肌を出せ肌をっ!」
「……ゆっぺー盗み聞きなんてしちゃって。屋内まじでドラクエやんのかなー?おもしろー」
「ドラクエじゃないと思うけど、RPGのキャラを考えてるらしいな。何かぱっとしないんだよな。もっとエロウィッチとか、エロメイドとかエロナースとかさー」
「それ、絶対着ないと思うぞ。あ、もしかしてゆっぺが着たいの?ど、どれ着るの?」
「は?俺がそんなの着るかよ!あー!可愛い男子は可愛いコスしようぜー!売り上げにも貢献できるしー!」
「だからー!ゆっぺもしようぜー?」
「……?俺は可愛くないからしねーよ」
「えー!自覚ないのも萌えるけどっ!着て欲しいー!」
今日も平和に一日が過ぎていった。
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