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第251話 *
霧緒
テスト終わって早々、宗太が学園祭実行委員の仕事があるという。
「すぐ終わるなら待っててやるよ」
「やだぁ宮ノ内くん……や さ し い ー !」
「……」
「すまん、すぐ済む!」
学園祭で使用する備品を確認するだけなのに、思いのほか時間がかかっているようだ。
必要な備品がどこにしまわれてあるかわからず、実行委員が探す羽目になったらしい。
詩達に先に行ってもらって良かった。
その用事もなんとか終わり、宗太と二人でファミレスを目指す。
「お前らってさー」
「お前ら?」
「宗太と屋内」
「あー?」
「付き合ってるって聞いたんだけど……」
「んー……そうだねぇ。付き合ってるよ」
「そうなんだ。俺に一切報告ないんだけど」
「……いやいや、俺だって報告なかったぞ?萩生とお付き合いすることになりましたーてへ!みたいなの待ってたのに」
「……」
「……わ、キモっ」
「自分で言うか」
「まあまあ。そんなもんだろ」
「まぁな……まさか宗太まで男に惚れるとか驚いたっていうか、マジで?って思った」
「世の中何が起こるかわからないよな……って俺自身がそれ何回も思ったよ。あ、でもそれそっくりお前に返す!マジで!?って思ったぞ」
「しょうがないよなー。あいつ……可愛くて仕方ない……」
「うわああぁあ!!!いやー!信じられないっ!そんなの私の知ってる宮ノ内くんじゃないー!だってこの前まで、つきあった女子に飽きたとか、ウザイとかあれ誰?って言ってたのにぃ!めっちゃべた惚れじゃないっすか……」
「そうだな……見てて飽きないしな」
「そ、そうか。……そらそら良かった」
「そんな菊池先輩はどうなんだよ?ちゃんと屋内と会ってるのか?」
「……まぁ忙しいけど、会ってるよ。お前らさ、家近くていいよな……」
「それな」
「お隣同士って、マジやらしすぎるっ!!」
「お前だってやらしかったぞ。夏祭り」
「……は?」
怪訝そうに顔をしかめる宗太が面白い。
……あの顔はスケベ顔だぞ宗太。
「なんでもねぇ……」
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