252 / 506

第252話

「そのどぶ水……ちゃんと飲むんだろうな」 「!おまっ失礼なっ!!」 「モザイクレベル」 霧緒達がファミレスに到着すると、すぐにテーブルに置いてあった飲み物を見ながらそう呟かれた。 毎回ファミレスに行くと、ドリンクバーで作っている創作ジュースだ。 「今回は店員のお姉さんおススメの調合っす」 「へー」 「ちなみに店員のお姉さんは、菊池先輩のファンらしいよ。42歳2人の子持ち!よろしくねだって」 「え、俺のファン?マジモテ期」 そう言いながら、隣に座ってる玲二の頭を不安がらせないように、ポンポンするところが何か菊池先輩らしい。 できる男はこういうことが普通にできちゃうんだよな。 「……で、テストどうだった」 「おかげさまで!何とかできました!オニ……いや家庭教師先生のおかげです」 「そりゃどうも」 「俺たちもう食べ終わってるから。はいメニュー」 「サンキュー。何食った?」 「これこれ、チキングリル。美味しかった!」 「へーって、昨日トリ食ったよな?」 「あ?そうだっけあーあれは手羽先だから」 「だからトリだろー。あ、これにしよう」 「なんか夫婦みたいな会話。ですね……」 ぼそりと玲二が呟く。 「「え」」 「そこのお二人さーん、距離近いからもちっと離れろって。公共の場ですよー」 そんなに近いか?俺たち? 確かに目の前に座っている玲二と菊池先輩二人と比べたら、ちょっと近いような気も……する? 「近いってよ。霧緒……もちっとそっちにズレて」 「……夫婦かぁー。いいな……」 …… 隣に座ってる彼氏を見たら、腕組みをしながらうっとりと遠くを眺めています。 ふ、夫婦って言葉に食いついたようで? 大丈夫か?というか、嬉しいけど離れろって! 「えーともしもし霧緒さん?このパスタでいいっすかね?注文するぞー!」 それから久しぶりに4人揃って、ワイワイと楽しいひと時を過ごした。 テストの話から、くだらない話や、学園祭の話題など色々。 そしてやっぱり俺は着ぐるみがいいんじゃね?ってことになり、玲二もゲームのお気に入りのキャラの仮装をすることになった。 わくわくしてくるなぁ…! これはこれから気合入れて準備をしないとっ!

ともだちにシェアしよう!