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第253話
そういえば今日って、どうするのかな?
玲二と菊池先輩と別れ、俺と霧緒は自宅を目指し、いつもの帰り道を並んで歩いていた。
今日はするのか?
しないのかな……
テスト終わったからエッチは解禁なはずなんだけど、うーん。
どうなのかな?
終わったけど、霧緒は変わらず忙しいわけだから、そんな解禁って感じでもないのかもしれない。
いやでもあのエロくて、エロ好きな宮ノ内霧緒だからすでにエロい計画を立てているのかも。
いやいや、自分の思い込み!気のせいかも。
俺はしたいのかしたくないのか聞かれたら……
そりゃーしたいかなぁーなんて思ってみたりするんだけど!
何かそういうの恥ずかしくてさー。自分から言えないしなぁ……
もし俺から誘ったらどう思うかな。嬉しい?迷惑?
……こ、断られたらどうしよう?
今日そんな気分じゃねーし!テスト終わって早々がっついてんなぁお前。
俺が受験生って知ってるよね?とか言われるかもしれない。
ひー!そうだよなー!がっついてんなぁ俺。
…い
「おい」
「……っ!は、はい!?」
「人の話、聞いてんの」
「え、あ?何でしょう!」
「…………何考えてた?」
「え、あーすみません!解禁日のことを……あ"」
「解禁……?」
「い、いやいや!なんでもない!あれだよほらボジョレーはそろそろかなぁー!って思ってさ!!日本人大好きだよなー。毎年ボジョってるじゃん!ワイン最高ー!」
「ワイン好き?」
「……め、めっちゃ好きー!……いって!」
ほっぺたを軽くつねられてしまった。
うあぁ……目の前にイケメンのアップ!
まつ毛相変わらず長いな……カッコいいなぁ……そんな目で俺を見るなあぁ!!
「……言いたいことがあるなら言えよ。高校生がボジョレーヌーボーの解禁日を妄想するわけないだろ」
「……う……」
「………はーい、今から10秒間ご意見ご要望質問なんでも受付まーす」
「え」
「8」
「えええ!何……何?!」
「7、6」
「あ、うあ……あーっと!!ご意見ご要望えーとあーと」
「5、4、さーん、にー」
「ふぁい!!はい!高校生1年匿名希望!あ、あのっ!恋人とおーイチャイチャしたいんですが!は、恥ずかしくて、なかなかそのことを恋人に言えないんですー……そういう時って……どうしたら良いんですかぁぁ……!」
匿名っぽく、左手の手の平で両目を隠しつつ、微妙に中指と薬指の間に隙間を作って、そこから霧緒の表情を覗いた。
相変わらずの無表情だけど、一応思案してるみだいだ。
「素直が一番。可愛くおねだりしてみると良い結果がでるでしょう」
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