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第254話
可愛くおねだり……
「可愛く……?」
可愛いってなんだ!?
あ、
「犬になれと?」
「……お前の可愛いはもっちーに直結してるのか。可愛いは置いといて、素直に伝えてみたら良いんじゃね?」
「は、はい……そうですね。ありがとうございます」
「じゃ、またな」
「うん、またー」
宮ノ内の家の前で霧緒と別れ、数歩先の椿家の前までスタスタと歩く。
……
立ち止まり、持っていた鞄を玄関の前にボンと置き歩いて来た道を引き返す。
お隣さんのポーチを抜けて、玄関を開けて中に入ろうとしている霧緒の前まで行き、
「あの……!」
「……」
顔は直視できないので、俯いて霧緒の白いシャツの端を摘まんで引っ張った。
「えーあーそのーーー霧緒くんと……え、エッチ……とか……したいなぁって思うんですが……それっていつぐらいなら……可能なんすか……ね……」
「ぷ……何その言い方。全然可愛いくない」
「………か、可愛いは置いといてって言っただろ」
「まぁね、その言い方は詩らしいからいいかな。今夜10時頃……おいで」
そう言いながら、頬を優しく撫でられてしまい、ドキドキする。
「マママジで!」
「……イヤなら別に」
「参りますっ!!!!」
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