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第256話
どろぼうさんじゃ、ありませんぞー!
そう心で唱えつつ、屋根をパジャマ姿で飛び越える。
もうお隣さんの屋根に飛び移るの慣れたけど、ここ増築して繋げたらいいんじゃね?
したら飛び越えなくてすむし、超楽っしょ?
そんなくだらないことを考えつつ、霧緒の部屋に開いている窓から侵入した。
主のいない部屋は当然真っ暗だ。
でも仄かに香る霧緒の匂いが、とても心を落ち着かせてくれる。
すぐにベッドに寝転がってもふもふクンクンしまくる。
ふぁーーー!この匂いヤバイ興奮してくるっ!
毛布に包まりゴロゴロするとミノムシの完成だ。
おー霧緒に包まれてる感じするー!そろそろ10時だし、もう帰って来るだろう。
久しぶりのエッチって、ちょっと緊張するんだよなぁ。
無駄にドキドキしてる気がする。
や、やだなぁ俺ってば、顔がニヨニヨしてんな。気持ち悪いな。
まだかぁー早く帰って来いってば。
はやくーキリオに触りたいよー。
触れたい。
触って欲しい……
ぎゅってして欲しい……んだ……
いっぱい……キスして……
…
…
…
すやぁ……
当然のように睡魔に襲われ、すやすや寝てしまい霧緒が帰宅したことも気がつかないわけで。
……ん
ぺちぺち
「おい」
「……」
「こら」
「……ん」
「あれ、この新しいパジャマどうした」
霧緒の声が……聞こえる……
次第に胸に感じる熱い感覚に、意識がじわじわと覚醒する。
「む……んっ……!あ、あ…!!」
目の前には、濡れた髪をオールバックにした目が覚めるほどのイケメンがいて、俺の胸のあちこちに吸い付いているではないか。
ついでに全裸で……すでにあそこがあーなってるらしく、俺に硬いものが押し付けられていた。
どぁああああ!!!!
風呂上りのいい香りと、温められた体温が一気に俺の眠気を剥ぎ取ってしまった。
目が合ったと思ったら、そのままエロ顔が近づきお互いの唇が重なる。
頭を両手で固定され、がっつり口内を貪られれば、気持ちよくて俺の身体はふにゃふにゃになってしまうのだ。
キ、キスって……こんなに感じるものなんだな。
はああぁ……キス……上手すぎぃ……
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