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第258話

「!ば、ば馬鹿!なんて恥ずかしいことっ!」 そのままちゅっと首筋にキスをされ、耳元で囁かれればいちころなんですけど! エロいのはどっちだよもう! ちゅっちゅされながら抱きしめてもらえば、幸せいっぱいなんだけど。 恥ずかしい……尻撫ですぎだろー! 「シーツ汚れたから取り替えないと。俺にもゴム……つければいいのにさ」 「詩が出してる姿可愛いじゃん?ふるふる震えてさ……いっぱいでたな」 「……」 こ、言葉が出てきません。すみません! すぐイっちゃう子ですみません! 汚れたシーツを取り替え、身体も綺麗にする。 うう……身体のあちこちに痣が付いてるわ~。 脱がされたパジャマに袖を通すと、霧緒が少し笑いながら、 「パジャマ似合うな」 「そう?着心地いいよ」 何気に一着もパジャマを持ってなくて、いつもスウェットやハーフパンツにTシャツを合わせて着ていたんだけど、健康に良いから?と、ばあちゃんが買って用意してくれたものだった。 いたって普通の、青系のチェック柄の綿パジャマ。 「ん、俺んちに初めて泊まった時も、俺のパジャマ貸したけど似合ってた」 「……おっきかったけど」 「しょうがないだろ。サイズ違うんだから……でも似合う」 「あ、有難うございます。パジャマ高評価ですな」 「ボタン……外したくなる」 「……」 「……警戒すんなって、ほらこっち」 おいでおいでされて、そのままベッドに寝転がった。 霧緒の体温と霧緒の匂い。本当……好きだなぁ…… 薄暗い闇の中、隣で前髪を掻き上げあくびをしている恋人をまじまじと見つめた。 目元は眠いのか瞼が重そうで、長い睫毛がよく見える。 霧緒の瞳の色は俺のより薄い気がする。 綺麗な瞳だ。 こんな間近で眺めることができるって贅沢だよなぁ…… 「ね、キスして」 そう言ってみると、眠そうな瞳の目じりが下がり優しいものに変わる。 その瞳には俺しか映っていないんだって思うと、普段は隠れている独占欲が飛び出し、わがままを言いたくなってしまう。 優しい眼差しが近づき、唇と唇が触れ合う。 温かい感触に気分が良くなる。 「もっと……して」 目の前の瞳の変化が見たくて、違う言い方を試してみると、一瞬見開いた目を細め、艶を帯びたものに変わったように思えた。 あ、エロ目になった。面白~ !!!! ン!ぐっあ! がぶりと思う存分口内を侵されてしまい、また身体が熱くなる。 寝る間際に変なこと言うんじゃなかったと後悔したのだった。

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