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第277話
「……」
「……あの」
「へぇ、触って欲しい……か」
「……」
ああああ……!恥ずかしい!
くすりと笑う霧緒の表情が色っぽくて、見つめられているこっちが恥ずかしくなってしまう。
濡れた前髪や睫毛が艶めいて綺麗だぁ。
霧緒の肌は日焼けが好きじゃないから色白だけど、今は湯船に浸かっているせいかほんのりピンク色に変わっていてエロい。
「俺も詩に触りたい。可愛い詩に……のぼせるから上がろうぜ」
ザバリと湯船から上がり、すたすたと脱衣所に向かい、ふかふかのバスタオルを渡された。
あれ?何か態度がつれない気がしたけど……あ、でも頭は拭いてくれるんだ。
されるがまま丁寧に髪を拭いてもらう。
身体が温まり全身が軽い!着替えは持ってきてないので、霧緒のグレーのパジャマを借りた。
「さすがに腹減ったよな。何か食うか……冷食パスタでいいか」
「うん。スープくらいなら何か作れるかな」
ばーちゃんに夕飯はいらないって伝えてあるし、冷蔵庫にあるもので済ませることになった。
サラダは無理だけどスープなら……玉ねぎがあったのでオニオンスープを作った。
二人で冷凍パスタとスープで簡単に夕飯タイム。
ふぁー良い匂い!
最近の冷凍食品って美味しいんだよなぁ。
んん?
ぱく……!
目の前に差し出されたパスタを思わず食べてしまった。
「うまい?」
「ん、うまいけど……」
今のって……アーンですよね?
くるくるとフォークを器用に回して、パスタを絡ませる霧緒。
「はい」
それを俺に食べさせようとするんだけど……
「ええと……霧緒?自分で食べないの?あの……」
「ほら、アーン」
!
アーン来たーーーー!!!
優しげな笑顔付きで言われたら食べるしかない!
恥ずかしい気持ちをおさえつつ、差し出されるパスタをモグモグと食べさせてもらった。
嬉しいんだけど、興奮して味が良く分からない!!
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