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第283話

「………もう怒ってない?」 「怒ってない」 「お許し……OK?」 「OK。約束したろ」 よ、良かったー! あんな恥ずかしいことしたんだから、当然と言えば当然なんだけど、ほっとしたことは確かで、身体から力だ抜けていく感じがした。 「良かったぁ。あの本当……ごめん」 「ん」 「……以後、気を付けます」 「ん」 「じゃぁ、ぎゅうしてください」 「……もうしてるし」 確かにそっすね。 でもしてもらってるだけじゃダメなんだ。 自分も自分も思い切り抱き着いてぎゅうしたい。 霧緒の背中に腕を回してしがみつくように抱き着いた。 ぴったりくっついて体温を全身で感じたい。 ベッドの上で二人重なり合う。 「手汚れててゴメン……」 「エロい手だからから全然いいよ」 「どあーー安定の変態。あはは、気持ちイイ……落ち着きますなぁ……これ」 霧緒の鼓動が聞こえる。 そして……下半身に当たっている、あれがあれで彼がとても興奮しているのがわかった。 「詩……イクとき何考えてた?」 「ぶ……そ、それ聞くか?普通」 「聞く。詩の頭の中の俺は何してやったの?」 「そそそんなの恥ずかしすぎて……言えるか!……ぁン!」 いきなり胸の先っちょを触られて、変な声が出てしまった!! ぐわー!今の声、女みたいだから取り消しー! いつの間にかパジャマの前ボタンが外されていて、胸がはだけていてぺろりと胸を舐められれば身体がピクンと反応してしまう。 片方は指でもう片方は下で転がされ丁寧に愛撫される。 丁寧というか必要上にというかしつこいというか……しつこい。 「…」 「う……ふん…っん」 「……わるい詩、結構余裕ないかも」 「……」 何か思い返しているのか、複雑な表情を浮かべている霧緒の顔はいつもと違う感じがした。 相変わらずエロいけど少しイラついてるような、やっぱり本音はまだ怒ってる? 誰のモノでもないんだけどなぁ俺は。 恥ずかしいから言えないけど、心も身体もお前のものだぞーでへへ!と心の中で叫ぶ。 「へへ……霧緒、好き」 「……」 「いっぱいシテおくんなし」 「……で」 「で?」 「さっきの話の続き、同じのシテやるから早く言って?」 「え”」 意地悪そうな顔で、ふにりと触れるだけのキスを繰り返ししてくる。 たまに舐めるのがエッロ! 「あ、あーと………」 「……」 「お、お口で……シテもらい……ました……」 「ぷ。マジ顔赤いぞ」 死!ぬっ!! 「OK~いっぱいしゃぶってあげる」 ニヤリと笑ういつもの笑顔。 ひゃーーーー!!!瞳がギラったー!それでこそ霧緒だ! 獣のようなギラギラした瞳を眺めながらそう思った。 その後は俺は、思い切り愛され……抜け殻になるまで、激しく抱かれてしまったのであった。

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