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第303話 クリスマス編2
思いもよらずゲットした宿泊券。
ポケットティッシュの筈が、ホテル宿泊券へと化け、俺は開いた口が塞がらなかった。
口をパクパクさせてたら、福引のお姉さんに笑われてしまった。
「これ……リアル?これどうしよう」
「夜景キラキラかーでかした詩。絶対行く」
「え!受験生行くの?」
「……あのな、俺ずっと模擬A判定なんだけど?あ、っつか椿のばあさんにあげたら?お出かけ好きだろ。喜ぶんじゃないか?」
「ばあちゃんはクリスマスは京都旅行だよ。前から計画してたから」
「じゃ、決定じゃん」
「……行く?」
「行く行く」
「やったぁ!行く行くーーー!!」
家に帰ってから福引きのことを早速ばあちゃんに報告した。
「あら、良かったじゃない!すごい!冬休みだし行って来たら?」
「ばあちゃんは……」
「私は京都でお友達とクリスマス」
「……って言ってたよねー」
「ど う せ 霧緒くんと行くんでしょ?」
「あ……う、うん……行ってもいいかな?」
「……ってその顔が行きたいって言ってるわよ?霧緒くんが大丈夫ならいいんじゃないの?保護者の同意書が必要なら書くからね。美味しいの食べられて、綺麗な夜景も見れてラブラブイチャイチャできるじゃない!せっかく当たったんだから、使わないのは勿体ないっ」
ラブラブ!イチャイチャ!
ばあちゃんが言うか!!
「うん!有難うばあちゃん!」
******
都内のホテルで、ディナーと朝食付きの1泊ペア宿泊券。
ディナーにはクリスマスケーキつきで、毎年人気なコースなのだそうだ。
部屋がデラックスツイン と キングダブルのどちらか選べるので、「絶対キングだろ!」という彼氏の意見通り、キングダブルの部屋を予約した。
美味しい夕飯にケーキ……!!
綺麗な夜景!……キラキラ!
これは!
これは色々楽しみなのではっ!!
「本当楽しみ。最近全然セックス出来てないから、いっぱい出来んじゃん」
「……」
こちら学校、ただ今昼休み中で二人日当たりの良い非常階段でお昼をしていた。
日が陰れば寒くていれないここも、今日は風もなくいい天気で、この時間はポカポカと暖かい。
横並びに階段に座り、モグモグとお手製の弁当と食べる。
無表情で普通にセックスとか言うから恥ずかしいしついていけないけど、確かにそうだ。
あのねっちょりエッチしてから、それっぽいのしてねぇ。
霧緒はテスト三昧で、俺は俺で風邪をひき暫くマスクをしながらの生活をしていた。
気がつけば12月に入っていて、すぐに中間テストとかあったような気がするけど?
それはあっちにポイしておいて!
つまり今年ももう残り少ないって事だ。
しかし凄いな俺。
やっぱり日ごろの行いが良いからだな…!
ゲットした宿泊券を見つめ改めて自分の運の良さを称えた。
ま、まぁ確かにエッチも楽しみと言えば楽しみだ……うん……
でもやっぱり二人でゆっくりとご飯食べたり、キラキラな夜景を見たりして過ごすのって、滅多にできないことだからめっちゃ楽しみだ!
あはー!
「おー凄い顔がニヨニヨしてるぞ。エロいこと想像し過ぎだって」
「!エ、エロいことじゃねぇ!楽しみなのっ!」
「……俺も楽しみだよ」
顔が近づいたと思ったら、チュっと眉間にキスされ抱きしめられた。
一度離れた唇は次は頬へ唇へと移動し、少しだけ甘い時間が流れる。
「ん……」
触れる互いの舌が絡み合うと、じれったい気持ちになってしまいもっと欲しくなってしまう。
霧緒の頬に手を添えてはむはむとキスを堪能するのだ。
が、しかし……
……ちょ
「ちょ、ま!ちょい!もう予鈴鳴るって……!」
「…………イイ感じだったのに……たく……」
長めの前髪の間から覗く無機質な瞳が不満げにじっとりと俺を見つめ、色っぽくベロリと俺の下唇を舐めた。
ひやぁああ!って心がドッキンと跳ねる!
どどどどんだけ飢えてんだよ!
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