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第304話 クリスマス編3

「えーー!!凄い!何それっ!僕も行きたい!」 福引で宿泊券が当たったことを玲二にも報告、当然羨ましがられてしまった。 「本当さぁ自分でもびっくりよ。すげーカランカランなってさ、周りからの注目半端なかった」 休み時間に親友の玲二とまったり話しながら過ごす。 席替えをして席が離れても心はひとつ! ……って何言ってるか分からないけど、相変わらず玲二とは仲良しだっていうことです。 最近の玲二くんは、ちょっと可愛くなったというか綺麗になったような気がする。 眠そうでクールな目元は変わらずなんだけど、その目元が色っぽくなったというか優しくなったというか。微妙な変化に俺は気がついていた。 ……あれかな? 菊池先輩に愛されてるのか?玲二くんよ? 「1回で当てちゃうなんて凄いラッキーじゃん!しかもペア宿泊券だなんて……詩!宮ノ内先輩じゃなくて僕と行こう!!僕もホテル行きたい!」 口を尖らせて抗議する玲二がめっちゃ可愛い! 確かに玲二と行って、ワイワイしながらディナーを食べて、夜中までひたすらベッドでごろごろしながらくだらないお喋りしたりして、それはそれで楽しいクリスマスになりそうだ。 「でもそんなの宮ノ内先輩が許してくれるわけないもんねー。僕も菊池先輩と約束してるし」 そう……玲二も勿論菊池先輩とイブを過ごすらしい。 ゲームではなく、ちゃんとお出かけする計画を立てているみたいだ。 俺たちもイブは、一緒に出掛けてクリスマスプレゼントを選ぶ約束をしていた。 幸運にも宿泊券が当たったので、ホテルに向かう前に買い物に行こうと、昨日霧緒と話し合ったばかりだ。 「でもさー、恋人と一泊できるなんて……マジヤバいな……」 「……やっぱり……そう思う?」 「思う!エロしか出てこないよ?さすがは詩先輩。運も味方につけるなんて凄すぎっ!」 「玲二くんは、最近イチャイチャしてるのかな?」 「全然!本当家が隣同士とか羨ましすぎだって!」 ……それは本当にそう思う! 学校で会えなくても、お互い予定があったとしても、家が近ければ少しの時間でも一緒に居られる。 玲二と菊池先輩は学校や放課後、会えたら週末に会って過ごすらしいけど、お泊りとかは皆無だ。 それに比べたら、お泊りばかりしてる俺って本当幸せなんだなぁと思うわけで。 あ、でも最近はお泊まり少ないんですよ? 「玲二くん、最近エッチなこといつしたの?」 「……んー…………き、昨日…」 「……っ!してんじゃんっ!!」 ついつい大きな声で突っ込んでしまった俺!やだ!やっぱり玲二の色気はそこから来てるんだ! 「ちょっ!詩!声でかいっ!……でも本当久しぶりだったんだよ!類が最近良く出かけるようになったから……」 「……好機逃さず。さすが菊池先輩だな」 「類、恋人と元通りになったみたいだから、よく会いに行ってるみたいなんだ」 「恋人って……例のあの人だよね?王子みたいな」 「ぷ、確かに王子様かも。喧嘩するほど仲が良いって本当だよね。表には出さないけど、デレデレなんだよ類」 「へーーーーー類って今、髪の毛どんな感じ?」 「はは!普通に坊主!大分ふさふさしてきたけど、寒いらしくて出かけるときはニット帽被ってるよ」 「あはは」 玲二の弟の類とはあれ以来会っていないし、連絡も削除されてしまったあので、玲二から話を聞くだけになっている。 恋人と仲直り出来たみたいでよかった。 「ね、ね、あの……詩はさ、ー宮ノ内先輩とどれくらいセックスしてるの?」 「え!……えーと……えーと……3回くらい?」 「おー!やっぱり!……それくらいかぁ!月にそれくらいできたらいいのになぁー」 「お、おう……」 「やっぱりその宿泊券は、僕と菊池先輩で行くから頂戴!」 「だだだ駄目駄目!いくら玲二くんの頼みでもきけないっ!うわ!駄目こちょこちょやめてっ!いやぁ!」 そんなやり取りを、休み時間に二人でニヤニヤしながらしていた。 やっぱり玲二くんは可愛いぞー! …… そして、月じゃなくて週3ペースでエッチしてるって言えなかった。 あ、でも今月はまだ1回しか……! ごめんよ玲二…… こっそりと窓から雲一つない冬の空を見上げてしまった自分がいた。

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