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第310話 クリスマス編9
「……何か……ごめん」
「何がごめん?」
「…………さかって」
「ぷ……」
お腹を綺麗に拭いてもらってから、きちんとソファーに座らせてもらう。
ベッドに置かれた俺の脱がされたパンツを手にした霧緒は……
……まだ笑ってる。
「そんなに笑うなよ!」
「ははは……わりぃ……ツボった……別に気にしてないし、さかった詩も可愛くて良かったぞ?」
「……」
「履く?」
「……履く」
ニヤニヤしたままの霧緒は、俺の前に膝まずいて当然のようにボクサーパンツを履かせてくれる。
立ち上がり、されるがままにスキニーもバッチリ履かせてもらった。
……うう……
今更ながら恥ずい。完全に雰囲気にのまれてしまった。
そのまま向き合いながらボサボサになった俺の髪を霧緒が整えてくれ、本当に至れり尽くせりだ。
それくらい自分でするんだけど、何が楽しいのか霧緒くんは俺の世話が好きみたいでよくやりたがる。
着せるし脱がせるし整える。
意外と世話好きなんだよなぁとか思いながらその顔をじっ見つめていると、目が合い耳元で囁かれた。
「……気持ち……良かっただろ?」
「う……うん………」
………だだだから、そう言うこと普通に言うなってー!
返事するの恥ずかしいんだから!
もう…スッゴい気持ち良かったーーー!!
……って、素直に言えないからぎゅっぎゅっとハグしておいた。
そんなことをしているとすでに外が薄暗い。
庭を散策するのに二人で一階へ移動する。
「わ、ライトアップされてる!綺麗じゃん」
日本庭園の中はキラキラと輝いていて、寒い季節の木々を幻想的に美しく演出していた。
ここは結婚式などでも使用するらしく、太鼓橋がかけられていて雰囲気は満点だ。
当然俺ら以外にも沢山散策していて思ったより人が多い。
で、やっぱりカップルが多い。
「色々計算されてライトアップしてるんだな」
「スゲー!これは絶対撮って玲二に見せねばっ!」
「あいつら今日テーマパーク行ってんだっけ?夢の国的な……」
「そう!菊池先輩可愛いサンタ帽子被ってたよ。さっき玲二から送られて来た。……ほらこれ!」
「……おー」
玲二と菊池先輩は早起きして、夢の国でクリスマスを満喫中だ!
凄く混んでいて大変みたいだけど、送られて来る画像はどれも楽しそうだった。
「宗太……鼻の下伸びてんなぁ……」
霧緒が変な顔して呟いていた。
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