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第311話 クリスマス編10*

霧緒 詩が部屋に興奮していたのは分かったけど、まさかこんなにすぐスルとは予想外だった。 あっちもこっちもお宅拝見みたいに覗いてその度におー!とかスゲー!とか叫んでそういうところガキだなぁって思うんだけど…… 抱きしめた時にしたキスでエンジンかかってしまったのか、もじもじしながら恋人にしたいって誘われたら……そりゃするだろ! ただでさえ最近ヤってないから、こっちだってそりゃガンガンヤりたい。 乳首を念入りに舐めて触ってやったら、はぁはぁ息切らせ、瞳はうるうる涙目になっていた。 赤く染まった頬と半開きの口、ピンと尖った乳首は唾液でやらしく濡れていて、本当エロいったら。 詩の下半身は、早い段階でふるふるして、先から涎を垂らしていて可愛らしい。 焦らすと足先を俺の背中に擦り付けて抗議するんだけど、色気のないその誘いかたが詩らしくておかしかった。 ムードは少ないほうがブレーキかけやすくて好都合だ。 とか思いつつも、色気のない目の前の恋人に夢中になっている自分がいる。 色気はないけど、スゲーエロい…… あー!本当可愛いっ! この馬鹿っ!!!! っとに……もう…… クリスマスにプレゼント買ったり、ホテルに泊まってみたり、世のカップルがしてることをまさか自分がしてるなんて信じられない!! 去年の今頃何してたか、それすら思い出せないのに…… 何してたっけ?? 詩と同じように俺だって興奮している。 でもそんな自分を見せなくないし、悟られたくない。 そういう時、いつも早く大人になりたいって思ってしまう。 ……にしても、こいつの口から零れるのは色気のないセリフなのに、どうしてこんなにぞくぞくするんだ? 色気ゼロとか言いつつ、興奮するんだけど…… やっぱり物好きなのか俺? そんな事を考えながら、薄暗い庭の中を散策する。 目の前の恋人は、ライトアップされた庭園に夢中だ。 確かにこのライトアップは綺麗だな……詩が喜ぶのもわかる。 さっきからスマホでカシャカシャ撮りまくってるし…… 「つかそんなに撮ってどうすんだ」 「ん、後で厳選すんだよ。色々撮って玲二と見せっこすんの」 「……お前ら女子か。じゃ俺も詩の秘蔵画像でも宗太に見せてやるかな」 「??!え!俺?嘘……なに言って……秘蔵って!?」 「あるよ。見る?……ほら」 実はたまに撮ってる、詩のあんな時こんな時のエロ写真。 大体した後、寝入っている時の詩が多い。 その中の1枚を見せた。 以前詩に夜這いされたときに撮ったものだ。 「わーーーーっ!!!!!ぶがっ!!」 「声デカーイ」 「そ、それ!ヤバヤバい!ヤバい俺!!駄目なヤツ!モザイクモザイク!!」 「ヤバくも駄目でもねぇよ。超お気に入りだし。この時の詩スゲー可愛いかった。夜這いして初フェラしてくれたし?……つか、ほらこれかけてろ……鼻赤いぞ」 あわあわ焦ったり怒ったりしている詩に、自分がしていたマフラーを巻いてやる。 日が陰ると、一気に冷え込んで来た。

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