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第313話 クリスマス編12

『君って日本人?』 「え」 『一応聞くけど、男の子だよね?一人なの?』 「ん?えーとあーと日本人です」 『はは、いくつ?誰かと一緒に来てるのかな?』 「え?え?15歳」 『は?15?マジかよ…やばー今夜ここに泊まるの?家族と一緒?俺も家族となんだけどさ、暇なんだよねーお前時間ある?』 「え?え?家族が何?時間?」 『………こいつ本当に15歳?間違えてるのかな?』 「……15歳の高校生だよ」 『え!高校生!?マジ?って……お前……誰』 「こいつの恋人。今日一緒にここ泊まりに来てるの。……わかるよな?」 『……マジか。…ちぇっ君……カッコいいな』 「あはは、ありがとう」 「え、え、霧緒くーんなんて言ってんの?」 『てっきり同い年くらいかと思ったよ。日本人本当わかんないな』 「君いくつ?アメリカ人?」 『10歳。うん、そうだよ』 「……そうか」 『タイプだったんだけどな。はぁ……仕方ないや、じゃな!』 「???あ、行っちゃった」 「……」 「霧緒、今の子なんだって?迷子?」 「……は?全然。聞いて喜べ詩」 「……おう」 「今お前、アメリカ人の小学生にナンパされたぞ」 「……え"……!!今の子小学生?ナンパ!」 「10歳だってさ。凄いなモテモテじゃん。羨ましい」 「その言い方全然思ってないだろ。マジで今の子10歳!?大人っぽすぎる!」 「ほら、飯行くぞ」 「お、おう。な!な!俺がナンパされて嫉妬した?」 「……」 「おーい!聞いてるかー!」 「さすがにガキにはしないな……つか笑える……」 「……むぅ」 カフェでホットチョコレートを飲んでいて、霧緒が席を外してる間に声をかけられた。 瞳がブルーで金髪でびっくりした…… まさか外国人の子供にナンパされてるとは全くわからず…… 英語苦手だから、何言ってるかほとんどわからなかったよー! ……俺ってそんなに子供っぽいのかな? 霧緒と比べたらそりゃそうだろうけどさー ************* 夕食はホテル内のレストランで、クリスマス限定のフルコースだった。 店内は間接照明の光を生かしていて、とても大人なムードだ。 テーブルマナーは姉の清江に教え込まれていたので、それが役に立った。そんな時、姉にちょこっとだけ感謝する。 「つか美味い……」 「美味いな」 「霧緒この肉……ヤバい。この牛スゲージューシー!」 「食いながら喋んなよ」 窓の外はもう真っ暗で、夜景が綺麗に見える。 空気が澄んでいるおかげで想像以上に美しい。 「さっきのオマールエビも美味しかったけど、肉もっと食えるな」 「これでデザート食ったら丁度いいんじゃね?」 ふっと笑いながら俺を見つめる霧緒は、いつもより甘い気がする。 無機質クールな男がちょっと解凍されてる? そんな顔で見られるとドキドキ緊張して来るんだけど…… ……あーこいつはこういう雰囲気でも平気なんだなぁ。 俺はここに来てから雰囲気にのまれ、既にエッチをおねだりしてしまうという恥ずかしい失態を犯している。 出てくる料理はどれも美味しいけど、レストランの雰囲気はちょっと高校生の俺には大人な感じで、そわそわ落ち着かない。 ちらちらと見られるのは仕方がないんだけどさぁ。 「詩ー」 「ん?」 「落ち着けって。さっきから顔がおかしいぞ」 「……バ、バレてる……」 「部屋で食べれたらもっとゆっくり味わえたんだろうけどな。俺だってこういうところは落ち着かないし。デザート食ったら早く部屋戻ってゆっくりしような?」 「う、うん!」 そっか霧緒も同じこと思ってたのか。そう思ったら少し気持ちが落ち着いた気がする。 「それかケーキ食わないでもう部屋に戻るか?」 「それはない!出されたものはちゃんと食べないとっ!」 「そっすか」 そしてデザートのオシャレなクリスマスケーキ&アイスクリームをしっかり食べた! 美味かったーーー!!

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