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第314話 クリスマス編13

「どわー!部屋が一番だ!!」 夕食を終え、部屋に帰ってきて思い切り大きなベッドにダイブした。 ドキドキして落ち着かなかったレストランだったけど、食欲は変わることなくて、すべての料理をぺろりと食べた。霧緒の分のケーキも食った! 「これが幸せってやつだーーーーー!」 ベッドにゴロゴロして伸びを思い切りすると気持ちが良い。 「さーて俺先風呂入って来よう。いつ詩がさかってもいいように準備万端にしておくわ」 「!!!な、なんだそれー!」 「だって襲われたら断れないし?とまらないしー?それかせっかくだから一緒にはいるか?」 「さ!先入ってよしっ!!」 さっさと準備をして風呂場へ消えるニヤけた霧緒。 ……ああああ……すでにさかった俺は何も言えねぇ…… 風呂なんか一緒に入ったらどうなることやら! むくりとベッドから起き上がり、窓のカーテンを開けてみた。 「わぁー」 明るい時とは全く違う、夜の景色が広がっていて息を飲む。 キラキラと輝く夜景が素晴らしく綺麗だったのだ。 本当にキラキラだ…… 「キラキラ~すげー」 実家は勿論、椿の家からも見れない景色に前にして息を飲む。 都会ってスゲーなこの景色の中に何人人がいるんだ? 飛行機が飛んでいるのか、空に光る星のような光。どこも宝石のように輝いていて、いつまでも見ていられた。 「詩、風呂入ってこい。湯船も入れてやったから」 「んー」 「ここ冷えるだろ。あったまってきた方がいいぞ」 「んー……ん?おー!!!水も滴るいい男っ!」 振り返ると、風呂上がりの霧緒がバスタオルを頭からかぶって濡れた髪を拭っているところだった。 いつもと違ういい匂いを漂わせているせいか、とってもエロっぽい! 「お、本当に夜景綺麗じゃん。スゲー」 「本当スゲーよな!じゃ、俺も風呂ってくるっ」 「ん」 着替えを用意してバスルームに行くと、霧緒が先にはいったので良い匂いが立ち込めていた。 すーーーはーーー!すーーーーはーーーー ー!! あー!いい匂い! 変態みたいに霧緒の匂いを堪能してる自分がいて、大分痛い子になってる……! いいんです! 彼氏の匂い嗅いで何が悪い! とか思いながら自分もシャワーを浴びる。 「おぉ……いい匂い」 良く分からないけど、高級そうな香りがするシャンプーで頭を洗い、綺麗にしていく。 全身を洗い湯船に浸かると、冷えていた身体がほぐれて気持ちがよい。 やっぱり湯船最高だー! 「あ、次は温泉旅行とかいいんじゃないの?露天風呂とかよさげじゃね?」 そんなことをブツブツ言いながら風呂から上がった。 「はー!お風呂最高でしたー!ねーねー!次回は温泉旅行とかどうでしょう?楽しそうじゃね?」 「温泉?いいけど大浴場とか駄目だぞ。貸し切りとかじゃないと無理」 「露天風呂はいりたいじゃーん」 「……個室についてるとかなら……まぁいいかなぁ」 そんな事を話しつつ、ベッドに座りながら何かしている霧緒の隣に腰かけた。 ホテルに来る前に購入したプレゼントが入った紙袋を手にしている。 「あ、それ俺も開ける!」 二人でガサゴソ開封し、中身のキーホルダーを見せ合いっこする。 「詩のブラウンもカッコいいじゃん」 「おー!ちゃんと名前も入ってる!今のヤツからこっちに鍵付け替えよう」 「そういえば何でキーホルダーの方選んだ?ずっと迷ってたじゃん」 「え、あーどっちも良かったから超悩んだけど、カードケースよりキーホルダーの方が毎日使うじゃん?だからだよ」 「……ふーん」 「おし、これで付け替えOK!イイ感じじゃん!」 手に馴染む皮の手触りが気持ちよい。 家の鍵を付け替えて凄く満足だった。 霧緒のはもう付け替えられていて、色違いの二つのモノを眺めニヨニヨする。 「ふふふふ……むふふふふ」 「……その気持ち悪い笑い方やめろって」 「……ふふ」 「おい詩、ほら」 ニヨニヨ笑っていたら目の前にポンと見慣れないラッピングされた箱が置かれた。 …… ??? 「これ、何……?」 「何って見ればわかるだろう?プレゼント」 「え」 隣にいる霧緒がフッと笑う。 「俺からのクリスマスプレゼント」

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