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第321話 2月*
霧緒
まだ寒さが続く、今日この頃。
昨日の大雪は昼すぎから降り続き、かなりの積雪となった。
宮ノ内家に住んでいるのは、現在俺一人だけなので、さすがにほったらかしにすることも出来ず、家の前だけでもと雪かきをすることになった。
「明日は更に気温下がるみたいだから、今日のうちに雪かきしておかないとさ。ばあちゃんが転んだら大変なんだよな」
マフラーをぐるぐる巻きにし、ダウンジャケットを着た詩が、ザクザクとスコップで雪を退けていく。
着すぎだろ。顔半分も見えねぇ……
更にニット帽を被り、鼻を赤くしててきぱきと作業しているのは、高校1年の萩生詩と言って俺の恋人だ。
この寒さで雪かきしてる為、一ミリの色気もないのは当たり前なんだけど、こいつ脱いだら凄いんです。
っていうくらいベッドの上では、エロい身体をしている。
……ン
……あの身体エロいのか?
こいつそんなエロかったっけ?
……うむ。
イヤーあれはエロいだろ。お見せ出来ないのが残念だ。
つか、誰にも見せる気ないし?
あいつのあんなとここんなところを知ってるのは俺だけで十分。
薄っぺらい胸は、優しく触ってやるとすぐに乳首がピンと立って可愛らしいし、舐めるとプルプル身体を震わせ、はひはひと変な喘ぎ声を出てくるから面白い。
キスが大好きな割には、未だに濃厚な大人なキスで何回か窒息ししかけている。
「死んだ母さんがキスくらいでこっちくんなって言ってたぞ!」
と、謎の三途の川体験を話してくれたときは、あーこういうところが詩って変わってて好きなんだよなぁって思う。
唾液で濡れた唇がエロいし、キスしただけで勃っちゃうから可愛い。代謝がよく汗ッかきの肌はキメが細かく綺麗で舐めたくなる。指先から足先まで恥ずかしい部分もすべて……
あ、言っておくけど萩生詩は男だから。
俺の可愛い恋人。
少し離れた場所から、その恋人をガン見し、脳内で一枚ずつ詩が着ている物を剥いでいく……
そんな俺の恋人は、せっせと鼻歌まじりに雪かきに勤しんでるけど、まさかその隣で俺がこんなことを考えているなんて思いもしないだろうな。
……本当、可愛い奴。
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