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第328話

何はともあれ!バレンタイン!! 「詩先生!よろしくお願いします!」 「うむ、では玲二くんは生チョコレート。俺はチョコレートチーズケーキを作ります!材料は……はい、こちら!」 バレンタインを明日に控え、うちのキッチンで今日は親友の玲二と一緒にバレンタインのプレゼントを作るべく、二人張り切っていた。 前髪をヘアゴムで一つまとめ、玲二もやる気満々だ。 普段は片目が前髪でかかって見えないので、両目が見える玲二はなかなかレアだ。 「詩がこういうの得意で本当助かるー」 「生チョコ調べてみたら結構簡単だから、玲二も普通に作れそうだよ」 「頑張ります!」 玲二と菊池先輩、最近は全然会っていないらしい。 確かにこの時期は受験生にとって大事だし、どうやら霧緒より菊池先輩の方が大変みたいだ。 菊池先輩のことを第一に考えて、受験が終わるまでは連絡も控えてるって言ってた玲二くん健気。 せめてチョコくらいはあげなよって声をかけたんだけど、これで少し玲二も元気になってくれたら良いんだけどって思う。 菊池先輩、真面目そうだからなぁ。霧緒と違って…… 先日、いつでもどこでもとか言ってた自分の彼氏の言葉を思い出す。 本当にいつでもどこでもエッチして、毎日エロ三昧でもあいつは試験に受かる自信があるのだろう。 俺がおねだりすればそれに乗ってくる。 全然足りなーい!もっとしよ?って可愛いく言ったら、ご機嫌で乗るだろう。 ない色気で精一杯誘ってみても、俺マニアの宮ノ内霧緒は、ノリノリで俺に乗るだろうさ! 試験日までひたすらエッチしたら落ちるかなぁ。 ………そんなことを考えながら材料のチョコレートを溶かしていく。 うーむ……エロ三昧でも、普通に受かりそうで怖い…… つか、俺の上に乗るなんて……きゃー!ヤバ! 何エロい想像してんだよー!! 「詩ーー!!聞いてるか?」 「え!」 「やっぱり聞いてないな!顔がニヤけてるよー全くもう。絶対エロいこと想像してただろ」 う" 「チョコと一緒に俺も召 し 上 が れ!みたいな?どう?どう?」 ニヤニヤしながら玲二がそんなことを言うもんだから、うっかりチョコが入ったボウルをひっくり返しそうになった!

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