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第2話 類は友を呼ぶ①
類は友を呼ぶ。
この言葉を作った人に、果たして同志はいたのだろうか。
一日中家に居るとなると、することも限られてくる。
俺がやることと言えば、もっぱらオンラインゲームだ。
オンラインゲームと聞くと、プレイしている人はほぼニートだと思っている人間もいるだろう。
しかし、実は真逆である。
オンラインゲームを嗜んでいる人間の多くは、昼間に働き、夜に同じ人種の者とパーティを組み、狩りやらダンジョンやらに赴くのである。
なので、平日の昼間からゲームをやっている人間など、あまり居ない。
そして、もう一つ。
引きこもりの人間は、オンラインゲームやSNSなどで友達を作っているというのも偏見である。
俺は他の人間と、まともに会話ができない。
俺が喋ることによって、他の人間がどう思うのかというのを考えすぎてしまい、疲れてしまうからだ。
それは、現実世界だけの話ではない。
例えオンラインゲームで、その人間の顔が2次元になっていたとしても、喋っているのは確かにこの世に存在している者だ。
つまり、オンラインゲームでも、俺は人間と喋ると疲弊する。
だから俺は、オンラインゲームの楽しみ方を完全に無視するかの如く、ソロプレイを貫いているのである。
何故こんな話をしているのかと言うと、俺は今とても困っている。
オンラインゲームを起動しようとしたら、課金が切れていた。
俺がやっているオンラインゲームは、課金カードを買い、シリアルコードを入力することでプレイすることが出来る。
外に出ることが億劫で仕方がない俺でも、課金カードを買うとなると話は別だ。
オンラインゲームは好きでやっているし、いつもならすぐにでも身支度をして買いに行っているだろう。
しかし、今は状況が変わった。
その課金カードは、コンビニに売っているのである。
俺はあの日以来、コンビニには行っていない。
弁当も、Uber○ATSに頼んでいた。
そう、俺はしばらくの間、あの唐揚げ弁当を食べていないのである。
あのコンビニの唐揚げ弁当は別格だ。
唐揚げ自体はしっとりとした食感だが、味付けがしっかりしていて白米と合う。
白米と唐揚げの配分が丁度いいのも、あのコンビニの唐揚げ弁当の魅力の一つでもある。
それくらいクオリティが高い。
そんなことを考えていたら、唐揚げ弁当が食べたくなってしまい、俺は数日ぶりにコンビニに来た。
レジは見ないレジは見ないレジは見ない。
買うものは決まっている。
オンラインゲームの課金カードと唐揚げ弁当。
そして、ずっと通い続けたこのコンビニの配置は熟知している。
俺は、最短距離でより効率のいい取り方で、商品を手に取った。
そして勢いそのままにカゴをレジに置く。
レジは見ないレジは見ないレジは見
「あ、お久しぶりです。」
見てしまった。
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