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第3話
「岬」なんて名前だけど俺だって男だし、雄馬が次にステップアップしたがってるのを感じていた。
雄馬は優しいし、最初の約束もあるから、俺に何かを要求することはない。
今の俺は、圧倒的に恋愛強者だ。だからこそ、俺から進展させる必要がある。
俺はちんこを見せたくないだけで、雄馬を気持ちよくしたいって気持ちはあるんだから。
自宅での勉強の合間に、スマホの検索ページに「ゲイ セックス 初めて」など気になるワードを打ち込んでは情報収集する。
もう俺のスマホは、「あ」と打てば「アナル」と予測変換されるし、「い」なら「一物」、「か」なら「拡張」、「け」なら「ゲイ」、「た」なら「男根」と真っ先に出てくる。絶対に他人には見せられない。特に雄馬には。
「うーん、バックからするにしたって、雄馬なら絶対、俺のちんこ触って来るよな。自分でずっと握っとくか?」
俺は立ち上がって、想像してみる。
机の前に立つ俺の背後に、裸の雄馬がいる。俺の腰を支えて腰を密着させ、そのまま腰を振る……。
うわっ、恥ずかしい!
それに雄馬が、そのまま手をスライドさせて前を探ったらアウトだ。
雄馬なら軽蔑したりからかったりすることはないかもしれない。でも、気遣うとかはありそうだ。想像するだけで穴を掘って埋まりたい気持ちになった。
「てことは、シャツ着たまましてもダメか。そもそも初めから着衣って変態臭い!」
何かないのか? 何か、股間だけを隠せるものを!
とりあえず拡張するかと、人差し指と中指に指用コンドームを付ける。ローションを使いながら入り口をいじる。
「んっ、……ふーっ」
少し気持ちよくなってアナルの力が抜けたところへ1本だけ指を入れた。
もう片方の手でちんこもいじり、二本とも馴染んで来たら、括約筋をくぱくぱさせてみる。
うん、だいぶ慣れてきたな。めっちゃ気持ち良いってほどでもないけど、雄馬のためにやってるってのがイイ。精神的に満たされる。
ケツで雄馬を満足させられたら、もっと気持ちイイんだろうな。物言いたげな雄馬の顔も、晴れるだろう。
拡張が終わると、ちんこを強めに扱いてイく。
あー、スッキリした。
明日は指3本にチャレンジしてみるか。4本入れば、雄馬のも入る……か?
俺は後始末をして手を洗ってから、部屋に戻ってまた検索ページをタップする。
「ん? なんだこの画像。Tバック?」
股間の布面積が少なくきゅっと締まっていて、ちんこの安定感が良さそうだ。
そんな下着を身につけた男性の画像が目に入った。
「いいよな、自慢できるものがあって……」
毒づきながら詳細ページを見ると、後ろ姿はプリケツだった。
後ろには一切の布地も、縦に食い込む紐さえない。
太めのウエストバンドと、太もものストラップだけなのが潔い。
「マジかよ」
これは何なんだ。説明を読む。自転車競技のために作られた下着だが、今では陸上競技やバスケットボールなど、他の競技者も使っているらしい。股間の位置が安定するし、後ろの布地がないことでパフォーマンスを邪魔されないと書かれていた。
スポーツマンって、なんてストイックなんだ!
俺は煩悩まみれの思考を反省した。
……でもこれ、どう考えてもエロい。俺の検索ワードを考えたら、そういう目的の下着だよな?
画像をスクロールすると、イイ体をした男性たちが、イイ笑顔で下着姿をアピールしている。
うん、良かった。そういう目的のための下着でもあるみたいだ。
それにこの別売りの付属品……!
ちんこを、盛れる!?
「よしっ! 待ってろ、雄馬!」
俺は強い意思をもって、その下着の購入手続きをするのだった。
全5話です。もし誤字がありましたら教えてください……
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