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ハルの部屋 トモ1

 ・・・あれ?ここどこ?僕どうしたんだっけ・・・ 「んっ?やっと起きた?トモ、おはよう。」 えっ?!肩ぐらいまでの髪を無造作にゴムでくくった、色気たっぷりな芸能人並みのイケメンさん・・・? 「ハ、ハルさん??!」 切長で涼しげな目元。柔和な笑みを口元に浮かべているのに、凛々しい雰囲気。長身で細マッチョな体と相まって、思わず見惚れてしまうような美丈夫だ。 「そ。気分は悪くない?昨日の事覚えてる?」 「あっ、あの、大丈夫です。昨日はえっと、初めてクラブのパーティーに行って、ハルさんに出会って色々教えていただいて・・・JUNのライブに感動して・・・そ、そうだ!ジュン様!!あ、頭をポンて・・・その後は・・・・」 ダメだ。その後の記憶がない。 「そう。あの後、モスコミュールを一気飲みしてね。けど、ちゃんと喋ってるし、そんなに酔っ払ってると思わなかったんだ。『おかわり!』って言うからもう一杯持って来たらそれもほぼ一気に飲んでね・・・寝た。」 「・・・寝たんですか・・・?」 「うん。見事に熟睡。全然起きなくてね。パーティーが終わって撤収作業してからも起こしたんだけど・・・寝ぼけててよく分かってないみたいだったし、そのまま放置も出来ないからウチに連れて帰ったってわけ。良かった、二日酔いにはなってないみたいだね?」 話を聞くにつれ、どんどん顔が青ざめていく僕。ハルさんがペットボトルの水を手渡してくれたので、一気にあおる。 そしてトイレを借りて用を足し、ハルさんの「ユニットバスのシャワー使っていいよ」ってお言葉に甘えて汗をざっと流した。バスタオルまで借りちゃって申し訳ない・・・多少は頭がはっきりとしてきたところで部屋に戻り、 「申し訳ございませんでした!!」 頭を下げて心の底から謝った。 「あ~トモ?君は昨日から今もずっと、非常に危険な状況に身を置いてるって分かってる?」 そう言ってハルさんは、僕に近寄り顎を指で持ち上げる・・・こ、こ、これは顎クイですかっ?!! 「・・・こんな可愛い子があんな所で無防備に熟睡だなんて・・・誰かにホテルにでも連れ込まれたらどうする気だったの?」 「へっ?!い、いや、僕、男ですし・・・」 「あのねぇ、ああいう場所にはゲイも多いし、可愛い男の子を狙ってる女だっている。そりゃナンパ箱みたいに、あからさまにそれだけが目的のヤツは少ないけどさ。それでもトモを性的対象として見るヤツは確実にいるんだから・・・」 ひぇっ?!顎クイされたまま、ハルさんのもう片方の手が僕の頬を撫でている。しかも唇を指先でなぞられて・・・ 「現にオレはトモを食いたいよ?」 ??!!! ハルさんの顔が僕の顔に近づき、そっと唇に軽く触れるだけのキスをされた。びっくりして硬直していると、クスッと笑ったハルさんに聞かれたんだ。 「嫌だった?」 びっくりしすぎて思考が停止する。 とりあえず質問に答えなきゃって、必死で答えを考えて・・・嫌?ではなかったよな・・・? だから僕は頭を横に振った。 「そ?じゃあ遠慮なく・・・」 はわわわっ?!! 今度は頭を抱きかかえるように固定されて、ガッツリと唇を貪られる。びっくりして半開きになっていた口に、歯列を割って容赦なくねじ込まれた舌は、僕の口腔内で傍若無人に暴れまわる・・・ 何これ??! さっきしたのがファーストキスな僕が、こんな大人のキスに応えられるわけもなく・・・されるがままになっていたけど・・・息っ!息が出来ないっ?!! 真っ赤になってハルさんの体を叩くと、やっと唇を離してくれた。酸欠で頭がクラクラする。 「はぁっ、はあっ・・・」 「キスしてる時は鼻で息するんだよ?トモ、もしかして初めて??」 コクコクと頷く僕。 「嬉しいなぁ。本当にオレが見つけて良かったよ。他の誰かに・・・なんて絶対に許せないもん。」 ニヤリと笑ったハルさんは、それはもう・・・壮絶な色気を体中から発散していて・・・僕は・・・・ 正直に言う。 欲情したんだ。 ハルさんの色気にあてられて・・・ 僕の下半身は反応していた・・・

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