13 / 17

エピローグ ハル

 あのパーティーで出会った日から、オレとトモは付き合い始めた。 トモが通う大学と、トモの実家のちょうど真ん中辺りにオレの家があったので、平日でも帰りに寄ってくれたりする。 何と言うか・・・うん、幸せだ。  オレの仕事はフリーのWebデザイナーなんだが、実際にはゴシックアクセサリーのデザイナーな叔父と、そのアクセを売る為に彼氏(叔父もゲイ)が設立した会社の専属みたいなもんだ。 叔父の星野弘巳(ほしのひろみ)、通称ヒロさんが作るゴシックアクセサリーにはコアなファンがついていて、海外からの受注も多い。だからホームページは重要。オレも気合いを入れて仕事をしている。 実はヒロさんも彼氏のナオさんも、ジュン様のバンド、MAGのメンバーだ。 この二人が海外を拠点にして仕事をし始めてから、MAGのライブが年に一回だけになってしまったんだよなぁ。 ヒロさんとナオさんは、基本、アクセの人気が高いアメリカとフランスを行ったり来たりし、年に一度帰国してMAGのライブをするってサイクルに落ち着いている。 一応日本に会社はあるんだけど、受注担当者と経理の人以外はバイトで賄ってる状態。だからオレに社員になれってうるさい。特に彼氏のナオさんの方が。 今までは縛られるのが嫌で逃げてたんだけど、トモと付き合ってからはそうした方がいいかな?って考えるようになった。だって彼氏にするなら、ちゃんと安定した仕事についてる男の方がいいよなっ?! 天使なトモは、「ハルさんがしたい様にしてください。僕は正社員でもフリーのWebデザイナーでも・・・ハルさんが好きですよ。」って言ってくれてるんだけど。うん、これは惚気だ。  トモはエロ可愛さに更に磨きがかかっている。オレがそうさせたかと思うと最高に誇らしく、可愛くて可愛くて可愛いくて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて・・・仕方がないが、同時に不安でもあるんだ。 一緒にパーティーに行っても、周りのヤツらの目が気になって仕方ない。 オレのトモを性的な目で見るなっ!!! パーティーにすっかりハマってすごく楽しそうなトモに「行くな」とは言えないし・・・オレも楽しいんだけどね。 どんどん魅力的になっていくトモに捨てられないか不安になるんだ。 あのヤリチンビッチだったオレがだよっ??! 一夜限りのはずがオレに惚れて「恋人にして」って言う、男も女もすべて足蹴にして来たオレがだよっ??!! 周りの友だちはそんなオレを見て笑っていたが、オレが本当に本気だと分かると概ね好意的な目で見てくれている。 オレに惚れてくれていた子たちが面白くないのは分かるが、そこは仕方がない。だが「すぐに別れるだろう」なんて周りに言いふらすのはやめてくれ。 まぁ、トモはそれを聞いてもニッコリ笑って「そうならないように努力しますね。」って、何の含みもない全くの素で答えてたんだけど。 ウチの天使最高じゃねぇ?!  そんなトモだが、天使っぷりだけでなく、小悪魔っぷりもサキュバスっぷりも凄まじい。 「ハルさん・・・僕、ハルさんと二人っきりになると体が疼いて熱くなっちゃうんです・・・」 ほてった顔で目をウルウルさせて、本気で困ったって感じで言うんだよっ?! 襲うよね? 「あっ、あっ、ハルさん、好き・・・ひぁっ?!それ以上大きくなっちゃ無理ぃぃぃっ!!!ひぃんんっ!や、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!あぁ、またイッちゃう・・・」 完全に中イキをマスターして、イキ狂うんだよ。ものすごく純粋で快楽にも逆らわないから、どこまでもオレを受け入れてくれる・・・ 本当に最高の恋人じゃねぇっ?!  そんな感じでオレは最高に幸せな日々を送っている。  これは、ヤリチンビッチだったオレが、純真無垢な天使で天然小悪魔で淫らなサキュバスな最愛を見つけてしまい、最高に幸せになったお話だ。 みんな、そんなオレの話に付き合ってくれてありがとう!! 「ヤリチンビッチなオレが純真無垢な最愛を見つけてしまった話」 完 ーーーーーーーーー  お読みいただき本当にありがとうございました! ヤリチンビッチという設定があまり活かしきれなかったような…ちょっと反省です(汗)。  ナオ×ヒロは、自作「腕白王子ちゃんの純真と甘い調教」の一番最後に番外編として書いております。 MAG結成→現代(このお話よりは数年前)のエピソードで、筆者的にかなりお気に入りですw気になられる方がいらっしゃればチラ見してみてください。  この後、番外編として後日談的な「トモの日常」が数話あります。  もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。 ルコ  

ともだちにシェアしよう!