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出逢いは突然に。

――入社した日に営業部に配属された。そこの部署に配属された新人は、俺を含めて8人ほどだった。新人が課長や先輩達の前で次々に挨拶していくと俺の番が回ってきた。そこで手始めに明るく挨拶をした。 「はじめして、新人の阿川慶介です! どうぞ、皆さん宜しくお願いします!」 爽やかに挨拶するとニコッと笑った。女性社員の人達が一斉に視線を向けると何だかキャーキャー騒いでいた。その様子を見た男性社員達に一瞬、ギロッと睨まれた。 「今日からうちの部署に入った新人だ! 将来的にはうちの戦力なる有望な新人達だ! いいか、みんな仲良くしろよ!?」 そう言って見た目が中年の男性の人が前で偉そうに長々と話していた。女性社員の人達が俺に視線を向けながらソワソワしている中で大きなアクビをして頭をかいた。 『このオジサンの話、長いな〜。早く終わらないかなぁ』と心の中で呟いた。するとさっきの人が大きくゴホンと咳払いをして、こっちをジロッと見てきた。こうして新人挨拶は無事に終わった。朝の朝礼が終わると女性社員の人達に周りを取り囲まれた。 「やっだ~! 超かっこいい〜♡ ねぇ、阿川君って、もしかしてモデルとかしてたの!? 凄くかっこいいね、それに身長だって高いしさ!」 「モデルですか? してませんよ、まぁ。確かに身長は高い方ですが。見た目だって普通ですよ」 「ねぇ、ねぇ、阿川君! 聞いた噂なんだけど、キミって頭が凄く良いんだって? それに良い所の大学を出たんでしょ!? 何でワザワザうちの会社なんかに!?」 「それ聞きますか? 別に凄く頭が良いってわけでもないですよ。フツーです」 「阿川君阿川君、誕生日と星座と血液型教えて! ついでに携帯の番号も! あっ、メアドでも良いよ!? てか、ぶっちゃけ今彼女とかいるの? 私、立候補してもいい!?」 「先輩、勘弁して下さいよ。あの、早く仕事しましょうよ。ね?」 「阿川君って見た目が格好いいけど、頭の癖毛がフワフワしててツヤツヤで可愛いね!? それに何だか温かみを感じるし、癒し系のヌクメン男子みたい! それともカシミア系男子かなぁ?」 「何ですか、ヌクメンって? カシミアって?」 「ねーねー阿川君! 私どお昼一緒にランチでもどう? 私がおごるからさ! 先輩が色々と教えてあげる! もちろん良かったら2人っきりの時にもっと……!」 「アハハッ、お昼ですか? あ、俺お昼は買ってきたやつ食べますから大丈夫ですよ。ご心配ありがとうございます!」 「ちょっとアンタ、慶介君が困ってるじゃない! いい加減にしなさいよ!」 「何よ!? アンタこそさっきから下心見え見えなのよ! 大体さ、アンタ彼氏いるじゃない!」 「あの……」 「うるさいわねぇ、あんた見たいなブス女に阿川君が靡くと思ってるの!?」 「あの、すみません……」 「誰がブスよ! そっちこそ厚化粧やめなさいよ!」 「先輩達、もしもーし」 「やるかぁ!? あんた今から表出なさいよ!」 「上等よ、かかって来なさいよ!」 何だか知らないけど目の前で女性社員の2人が俺を巻き込んで喧嘩を始めた。2人の板挟みにあって、困り果てるとそこで一人の男性社員が間に割って入ると仲裁した。

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