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出逢いは突然に。
「萩原、お前やかましいな! 一体、何しにきたんだよ。ここで油売ってるなら仕事に戻れ!」
そう言って彼の首の襟を掴むと『仕事に戻れ!』と急かした。萩原は『ちぇっ。柏木さんこそ油売ってないで早く仕事に戻った方がいいんじゃないんっすか?』と後ろを振り向くと言い返した。
「お前なぁ……! 誰が油売ってるだ、誰がっ! お前と一緒にするなよ!?」
「ああ、そうそう思い出した。阿川、戸田課長が呼んでたぞ。お前に付く教育係りを紹介するってさ。ほら、あっちで待ってるから行って来いよ」
そう言って彼は思い出すと課長室を指差した。阿川は彼から伝言を聞かされると、そこで返事をして視線を向けた。
「戸田課長ですか? 誰でしたっけ??」
「お前さ〜さっき課長がみんなの前で朝礼の挨拶してただろ〜? ほら、あのちょっと小太りの人だよ!」
萩原の話に不意に思い出した。
「ああ、あの『タヌキ』っぽい人ですか? あのオジサンちょっと話が長いですね。まるで学校の校長みたいに話が長い人ってたまに居ますよね。俺、ああ言う人って苦手です。だって、話しとか聞いてると段々眠くなって来ませんか?」
阿川は包み隠さすにストレートに自分が思ってる事を話した。それを聞いて2人は目の前でポカーンとなると突然、笑いだした。
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