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出逢いは突然に。

「そうそう、葛城パイセンは柏木パイセンと同期で眼鏡かけてる人で柏木パイセンよりもイケメンの格好いい人ですよ! それにいつも、スーツがビシッと決まってて、ちょっと気難しいタイプの人だけど俺は葛城パイセンみたいな人は、普通に憧れるっすね!」 「萩原お前な、俺が葛城よりもイケメンじゃないとか、よく本人の前で言えるよな〜。それにそのチャラい感じの話し方いい加減に直せよ、社会人がみっともない!」  柏木は呆れた顔で怒ると、萩原の頭に再びゲンコツを落として怒った。 「ちょっと、人の頭をボカボカ叩かないで下さいよぉ! 頭のシナプス減ったら、柏木先輩のせいですからね!?」 「あー、ハイハイ。わかった。ホラさっさと自分のデスクに戻って大人しく仕事して来い!」  柏木に適当にあしらわれると、背中を押されて彼は渋々と自分のデスクに戻った。 「悪く思うなよ、アイツあんなキャラだけど根は良いヤツなんだぜ。ちょっと見た目よりもおつむが弱いけどさ。あ、今のは悪口かw」 柏木は一瞬、焦った表情をすると阿川に耳打ちで『今のは内緒な』と小声で話した。 「わかりました。今のは内緒ですね。それじゃあ俺、タヌキ課長の所に行って来ます」 「おいおい阿川君、タヌキ課長じゃなく戸田課長な。呉々も本人の前で『タヌキ』だなんて、呼ばないようにしなよ」 「あ、そうだった。戸田課長ですね、了解です。わかりました」  柏木の忠告に彼は素直に返事をすると、その場からスタスタと歩いて離れた。そして、そのまま課長室に向かった。そして、ドアを軽く叩くと声をかけた。 「あの、タヌ…ゴボン。戸田課長、阿川です! 今、呼ばれて来ました! 入っていいですか?」 「よろしい、入りたまえ」 「はい、失礼しまーす!」  そこで返事をすると課長室に入った。そして、目の前には細身で薄茶色のスーツを着た眼鏡姿の男性が立っていた。 さっきのタヌキオヤジがいきなり細身のスマートになってるのに驚くと、無言のままドアをパタンと閉めて考え込んだ。

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