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出逢いは突然に。

「……ミルクと砂糖は適当に入れといてやったぞ」  そう言って彼は、淹れたてのコーヒーカップを俺のテーブルの前にトンと置いた。 「あっ、ありがとうございます……!」  何食わぬ顔で淹れたてのコーヒーを一口飲むと、俺は『しまった!』と心の中で焦った。  ああ、ヤバイな。今のは完全に変なヤツだと思われたかも。葛城先輩がいきなり『ミルク』とか言うから変な事言っちゃったじゃないか…――!!  コーヒーを飲みながら自分の失態に反省すると、顔が赤くなってきた。このままだと暴走しそうだなぁ。 「阿川君。私はキミの教育係りになったが色々と教えないといけない事が山ほどある。それがわかるか?」  いきなり目の前で真面目な顔で話を切り出されると俺はゴキュッと息を呑んだ。そして、キリッとした顔で答えた。 「ええ、わかりますよ。つまり今からコーチングですよね? 椅子でやるのはなんですし、ソファのほうが良く無いですか? 腰に負担かけるのは大変ですし、俺もソファの方がやりやすいです。あ、ゴム無いけど良いですか?」 「はっ……? ゴム? ソファ??」  その瞬間、2人して固まった。そして、お互いに『?』っとなった顔で見つめあうと沈黙した。  うわ~、最悪だ……!  俺、また変な事言った気がするぞ…――!?  お互いに固まるとそこで無言の空気が流れた。葛城先輩は目の前で引いた顔で一言話した。

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