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ふたりの時間(3)

それから僕らは、一緒にシャワーを浴びた。 髪を洗い合ったり…身体を洗い合ったりしてるうちに やっぱりお互いの身体を弄り合い始めてしまった。 「…んっ」 シルクは後ろから僕を抱きしめ、 泡にまみれた僕の両乳首を愛撫した。 「ああっ…あっ…」 「やっぱ勃っちゃった…挿れていい?」 「…ん…」 そしてシルクは、立ったまま… 後ろから僕の中に自分のモノを差し込んだ。 「泡でドロドロだな…」 「…んっ…あっ…」 僕は思わず、壁に手をついた。 シルクはそのまま、勢いに乗って… 自分の快感に任せて腰を激しく動かした。 「あっ…あっ…」 彼に突かれるたびに、声が漏れてしまった。 「…んっ…んん…」 シルクは、早々に…僕の中に吐き出した。 「…ん…はぁ…はぁ」 そして彼は… イった自分のモノをそのままに… 僕の乳首を愛撫しながら、僕のモノを扱いた。 「んんんっ…あっ…」 気持ち良くて、壁についた手から力が抜けていき… 僕はそのまま、頭を壁にもたれかけた。 「ああっ…あっ…あ…」 その頭で、必死に身体が崩れないよう支えながら… 僕は、ビクビクっと震えて…吐精した。 「…はっ…あっ…はっ…」 完全に脱力して、倒れそうな僕の身体を… シルクはしっかりと抱きしめた。 それからまた… ときどきラブラブな感じのキスとかしながら、 僕らは身体を洗い合った。 「あー楽しかった」 風呂場から出て、 タオルで身体を拭きながら、シルクが言った。 「サエに言ってやろうかな…」 言いながら彼は、 僕の濡れた髪を、タオルでゴシゴシ拭いた。 「濡れ髪のお前の写メ付きで送るか」 「…」 くしゃくしゃな頭の僕を…しばらくじっと見て… シルクはまた、僕にそっと口付けた。 「…やっぱ俺だけの秘密にしとくわ」 そう言って彼は、タオルを僕の肩にかけた。 「…」 なんとなく…僕は、たまらない気持ちになった。 特にお構いなしに、シルクはサクサクと服を着た。 「お前、着替えどーする…何か貸す?」 「あ、いや…大丈夫です」 僕は急いで身体を拭き… とりあえずシャツを羽織って、 例の宴会現場に行って、自分のズボンを探した。 シワシワにはなっていたが… 変に汚してはいなかった… 「いいの?それで…」 「…はい」 僕は、久しぶりにちゃんと服を着た。 シルクも部屋着をちゃんと着た。 「さーて…じゃあ片付けるとするか…」 そして僕らは、 散らかったテーブルの片付けに取り掛かった。 皿やグラスをキッチンに下げて… 僕はそのまま洗い物に徹した。 シルクがたまに、 缶に残った飲み物の残りを流しにきた。 「酒…割と残ってるなー」 手付かずの缶を冷蔵庫にしまいながら、 シルクが呟いた。 「これも中途半端に残ってるな…」 今度はワインの瓶を覗き込みながら、言った。 「しかも栓開けっ放し…不味くなってんだろうなー」 「…僕飲みますよ、元々…味分かんないですから」 「そっか…」 ゴミもまとめて、残り物もまとめて… テーブルも綺麗に拭かれた。 そして、また… そこは、普通の事務所スペースに戻った。 あ、敷いてある布団さえ目に入らなければ… そしてまた、僕らはベランダで煙草を吸った。 もう見られても恥ずかしくない。 「今日、この後も暇なの?」 シルクが訊いてきた。 「あ、はい…特に何もないです…」 シルクはちょっと考えて…言った。 「じゃ、ちょっと出掛けるか…」 「えっ?」 「デート…つき合って」 「…えええ…」 シルクは煙草を揉み消すと… 部屋に戻ってドライヤーと鏡を取り出してきた。 そして、PCの前の椅子に座って、 徐に髪を乾かし始めた。 僕はその、彼が座ってる椅子の… 隣の床にちょこんとしゃがんだ。 自分の髪があらかた乾くと… シルクは僕の髪にドライヤーを向けた。 そして僕の髪をくしゃくしゃと撫でながら乾かした。 「アイロン使う?」 「あ、いや…僕は大丈夫です」 「デートなのに?」 「…っ」 言いながらシルクは、 今度はヘアアイロンを持ってきて… 丁寧に自分の髪を真っ直ぐに伸ばした。 綺麗なストレートだなあ… 僕はずっと彼を見つめていた。 「何でそんなに見てるの?」 「…あっ…すいません」 「好きなの?」 「…っ」 シルクはイタズラっぽく言った。 僕は何となく、勝手にほっこりしていた。 「さあ、じゃ、行こうか…」 彼はちゃんと黒い上下に着替えて、 カッコいい黒いカバンを下げた。 そして、僕らは部屋を出た。 歩きながら、僕は彼に訊いた。 「…どこに、行くんですか?」 「…隣駅のスーパー」 「…は?」 「酒も残ってるし…何か作って食べようと思って…」 「…」 そうなんですね… シルクさんて、スーパー行くのに いつもそんな、おしゃれに正装してくんですね… 僕はまた、ちょっとたまらない気持ちになった。

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