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レコーディング(2)

ドラムだけでも、曲がちゃんと伝わってくるので、 僕は、カイでいっぱいの身体を震わせながら、 囁くように歌を歌っていた… そして、最後のサビの手前で… いつものように…無意識にカイを振り返った。 僕と目が合ったカイは、ニヤっと笑った。 そしてまた、力強くサビを叩き続けた。 曲が終わった。 そっと小窓の方を見ると… 2人が、ちょっと興奮したような表情で見ていた。 そしてまた、カイのヘッドホンに向かって、 何やら喋っていた。 「もう3曲も、録り直すって…」 「え?」 カイが通訳してくれた。 「…終わったんじゃないんですか?」 僕は聞き返した。 「…いや、俺もやり直したい」 「…」 「お前が居てくれると、テンション上がる」 「…」 そう…なんですか? 「ちょっとこっち来て…」 カイが僕を手招いた。 僕はカイに近付いた。 と、彼は… 手を伸ばして…僕の頭を抱き寄せたと思ったら、 そのままシュッと口付けてきた。 「あーっ」 ヘッドホンから漏れるくらいの、 サエゾウの叫び声が響いた。 そっと口を離したカイは、囁くように言った。 「すぐ終わらせるから…そこにいて」 「…はい」 「時々…振り向いて」 「…わかり…ました」 そして僕は、さっきの定位置に戻った。 小窓を見ると、サエゾウが… ちょっとプンプンした表情で、また何か喋っていた。 ほどなく、どうぞのアクションが出された。 そしてまた、ドラムだけの曲が…始まった。 この至近距離で、僕の背中を襲うカイのドラムは、 また、あっという間に僕の身体を満タンにした。 「…っ」 僕はまた、震えながら歌った。 そうしている間にも、彼のドラムは僕を突き上げ… 僕はフラフラと、壁に手をついた。 そして、カイを振り返った。 カイもスゴく高揚している感じが、 その表情からも伝わった。 いい感じにカイの調子が上がった勢いで、 すぐにまた、次の曲の録音も始まった。 「…」 そして僕はまた…フラフラになっていった。 「…あの子、完全に挿れられちゃってる感じになってるけど、大丈夫?…」 曲が終わって、小窓の向こうで エンジニアスタッフがサエゾウに言った。 「…いつもの事だけどねー」 言いながらもサエゾウは、 とても嬉しそうな表情だった。 「やっぱ全然いいわ…カオル効果てきめんだわー」 「続ける?」 「うん…さっさといかないと、カオルがもたない」 「はははっ…」 そして、目の前の機械を操作してから、 2人はまた、カイのヘッドホンに向かって喋った。 「続けてもう1曲いっちゃうってさ…」 「…はぁ…はぁ…」 僕は壁に手をつき、肩で息をしながら、 カイの方を振り返った。 彼はニヤっと笑って続けた。 「これ終わったら処理していいってー」 「…」 そして、最後の曲も…カイは滞りなく… いやむしろ、今までに無かったくらいな、 いいテンションで叩き終えた。 小窓を見ると… 2人が、両手で大きな丸を作っていた。 …終わったかー ホッとした僕は… そのままフラフラと壁づたいに崩れ落ちてしまった。 カイはドラムから立ち上がると… 持ち込んだハイボール缶を、ゴクゴクと飲み干した。 そして僕に近付いてきた。 と、スタジオの扉が開いて、 サエゾウが覗き込んできた。 「お疲れー、すっげーよかった!」 「…それはよかった」 「次シルクいくから、優しめに処理してー」 サエゾウはそう言って、 カイに向かって箱ティッシュを投げた。 カイはそれをキャッチすると、 僕の傍にしゃがんだ。 サエゾウは、さっさと扉を閉めた。 カイは、崩れた僕の身体を仰向けにさせた。 そして…ズボンの上から、そっと僕のモノに触れた。 「何お前…俺のドラムでこんなんなっちゃったの?」 「…」 僕は、ビクビク震えながら、 カイを見上げて…息も絶え絶えに、言った。 「…カイさんの…ドラムが…突き刺さって…きた…」 「…」 それを聞いたカイは、 ガバッと勢いよく僕のズボンを脱がせた。 「…んんっ…」 そして、すぐに僕の両足を開いた。 あーしまった… またスイッチ踏んじゃった… 朦朧とした頭で、僕は思った。 「優しめって言われたけど…ごめん…」 言いながらカイはズボンを下ろすと、 いきり勃ってしまった自分のモノを、 僕の中に押し込んできた。 「…はあっ…あっ…んん…」 奥までグイグイ挿れながら、 彼は僕のシャツを捲り上げて、僕の乳首を弄った。 「…あっ…ああっ…」 つい今まで、僕の身体にいっぱいになっていた カイのドラムの感触が、 現実の愛撫となって僕に突き刺さってくる… …それはもう、絵も言われぬ快感だった。 「はあっ…あっ…あああーっ…」 激しく腰を動かすカイのリズムに合わせて、 大きく声を漏らしながら、 あっという間に僕は、絶頂に達した… それを確認したカイは、 更に激しさを増した。 「…んっ…んん…」 そしてカイも…勢いよく、僕の中に吐き出した。 「…はぁ…はぁ…」 「ごめん…また、優しくできなかった…」 息を上げながら、僕を見下ろす彼に向かって、 僕は、小さい声で言った。 「…2番…」 それを聞いたカイは、たまらないような表情で… また激しく、僕に口付けた。 と、また扉が開いた。 「まだー?」 そう言ってサエゾウが覗き込んできた。 僕らの様相を見ると、 彼はまたプンプンしながら言った。 「あーもうー優しくって言ったのにー」

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