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レコーディング(4)

もう完全に姦られちゃった感じに、 ぐったりと横たわる僕を見下ろしながら… シルクは、神様の曲を弾き始めた。 「…っ…」 僕はもう、目を開けていられなかった。 リズミカルなリフを弾き上げるベースの歌声は、 宴の席で、まるで生贄を玩ぶかのように、 僕を更に凌辱した。 そして…曲が終わった。 小窓の向こうで、 2人がまた、両手で丸を作っていたが… 残念ながら、僕には見えなかった。 「…オッケーだって…」 シルクが若干息を上げながら、僕に言った。 「…」 僕は朦朧としながら、小さく頷いた。 シルクはヘッドホンを外し、ベースを下ろした。 「お前のおかげで、メッチャ上手く弾けた…」 そう言いながら彼は、僕に近付いてきた。 と、またサエゾウが扉を開けて覗き込んできた。 「シルクすげー最高だったー」 「…だろ」 「ここ、あと30分だから、急いで処理してー」 「…」 そう言ってサエゾウは、 置きっ放しだったティッシュを指差した。 そしたまた、バタンと扉を閉めた。 「…急いでだって…」 言いながらシルクは、すぐに僕のズボンを脱がせた。 「…っ…ぁ…」 声を出すのもままならないくらい、 ぐったりした僕の身体を、 シルクは仰向けに組み敷いた。 「ベース聞いてるだけなのに…何でそんな顔になっちゃうの?」 「…っ…」 僕は必死に目を開けて…シルクを見た。 「…そんなに悦かった?」 「…」 僕は小さく頷いた。 たまらない表情で僕を見下ろしていたシルクは、 すぐに、自分のズボンを脱いで、僕の両足を開いた。 そしてまた… 散々僕を凌辱してきたベースの歌声が… 現実に僕の身体を撃ち抜いてきた。 「……」 僕は恍惚の表情で、ブルブルと震えた。 「そんな顔で急かさないでくれる?」 そんな僕を見て、シルクは息を荒げた。 「急がなくても…イっちゃうわ…」 そう言って彼は、腰を揺らしながら、 何度も何度も僕を突き上げた。 「…っ…ぁ…」 僕は、ただただ…快感の渦に溺れていた。 それはまるで、夢の中にいる様に 僕の身体をグルグルと掻き回し続けていた。 「んんっ…あっ…あ…」 ほどなくシルクは、低く声を上げて… 身体を震わせた。 僕の中に、彼の愛液の感触が広がった。 「はぁ…はぁ…」 肩で息をしながらシルクは、 僕を見下ろして言った。 「せっかく良い夢みてるとこ可哀想だけど…お前のトドメも刺すよ…」 そして彼は、自分のモノを僕の中に残したまま、 片手で僕の乳首を弄りながら、 もう片方の手で、僕のモノを握った。 「…っ…んっ…」 僕はビクビクっと震えた。 その感触は、僕の身体を包んでいた快感の渦を、 一気に波立たせ、極点に向かって突き上げた。 「はぁっ…んんんっ…ああっ…」 まさにトドメだった。 僕はすぐに堕ちた…というか、イった。 「大丈夫?起きれる?」 少し落ち着いてから、シルクは僕の身体を拭き… ズボンを履くのを手伝ってくれた。 「…う…ん…」 僕はなんとか、起き上がった。 ややげっそりした感じな僕の、 シルクは腕を支えながら、ロビーへ連れ出した。 「何だ、早かったねー」 「お疲れー」 サエゾウとカイが、出迎えた。 カイは、立ち上がって… シルクから僕の身体を受け取ると、椅子に座らせた。 「何か飲む?」 「…はい…」 カイはまた、ハイボール缶を買いに行った。 シルクは、機材を片付けにスタジオに戻っていった。 「お疲れ様、順調に進んでよかったね…」 エンジニアスタッフも、小部屋から出てきた。 「ホントよかったわー」 「お世話になりました…」 「…ありがとう…ございました…」 僕は… カイが買ってくれたハイボール缶を飲みながら、 何となく複雑な気持ちで挨拶した。 何にも出番なかった筈なのに、 なんかスゴい消耗した感じ… 「明日は、ギターと歌、録るんだよね」 「その予定ー」 サエゾウは、僕に向かって言った。 「悪いけど、カオルも早く来てねー俺んときも立ち合ってもらうからー」 「…はい…」 僕は力無く頷いた。 「それにしても、ボーカルくん、面白いね…」 「でしょー」 僕は全然面白くないですけど… 「歌、録るときは、どうやったらいいだろうね…」 「…」 エンジニアさんのひと言に、 カイとサエゾウは、ちょっと考え込んでしまった。 「目隠しで縛って…歌わせたらいいんじゃないかな」 片付けを終えて、出てきたシルクが、 しれっと言った。 「それだー」 サエゾウは手を叩いた。 「…」 シルクって… 割とホントにいじめっ子だよなー

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