105 / 398

レコーディング2日め(2)

最後の曲になった。 いやでも、まだ黒い方とか、ギターソロとか 被せるヤツが残ってるから… まだまだ…なんだな… 「…」 僕は、しゃがんだまま… サエゾウを見上げた。 「次に進むねー」 そう言って彼は… あの心地良いイントロのコードを掻き鳴らした。 それはもう、無防備な僕の身体を… これでもかっていうくらいに愛撫してきた。 「…っ…」 僕はビクビクと震えながら、身体を捩らせた。 ギターだけの世界って、 こんなに響くんだ… 僕は目を閉じて… 必死にその愛撫に…耐えた。 サエゾウは、そんな僕の様子を見て… 更に悪い顔になって、楽しそうに弾き続けた。 やがて…無事それも、ノーミスで終わった。 「ふぅー」 サエゾウは、安堵の溜息を漏らした。 「ちょっと休憩したい所だけどなー」 彼は僕の方を見た。 「いやでも、今だなー」 「…」 僕は、既に肩で息をしながら… まるで、無理矢理犯された後のように、 心ここに在らずな表情になっていた。 「…こんな理想的なタイミングを逃したら、一生後悔するわー」 サエゾウは、僕に言った。 「悪いね、黒い方だけでも…やらせて…」 「…」 僕は黙って小さく頷くと、 そのまま…パタっと、横に倒れた。 「…」 彼は少し考えて、いったんギターを置いた。 そして、倒れた僕のところへ来て、 僕のズボンを脱がせた。 それからサエゾウは、 だらんとした僕の両手を取って、 いきり勃った僕のモノを、自分で握らせた。 「…っ…んっ…」 「辛くなったら自分でイって」 僕は力無く、自分のモノを両手で握りながら… 完全に横を向いて、寝転がった。 そして必死に… 今にも泣きそうな目で、サエゾウを見上げた。 彼はそれを見ると、ゾクゾクと背中を震わせながら、 またニヤッと笑った。 曲が始まった。 容赦なく…黒いサエゾウが出現した。 「…」 さっきの白いのは何だったの…? って思うくらい、 黒いサエゾウは、全くの別人だった。 激しく荒々しく… 黒い彼は、必死に拒む僕を、無理矢理に犯した。 やめて… って、思ってるのに…逆らえない。 白い彼が、耽溺してしていくように… 僕は黒いサエゾウのギターに溺れていった。 「…っ」 僕の手の中で…僕のモノはビクビクと脈を打った。 主人公の彼も… 黒い彼に犯される妄想に囚われながら… 現実には、こんな風に自分でしてたのか… そこへ、黒いギターソロが始まった。 …やめて… もう…勘弁してください… 哀願する僕の身体は、 そのソロの音色に、嗜虐的に愛撫された。 「…っ…っ…」 僕は声を殺して…ゆっくり、手を動かした。 「…っ…」 そしてほどなく…僕は身体を震わせて… 敢えなく吐精してしまった… そんな僕の様子を見下ろしながら… サエゾウも、恍惚とした表情で…弾き切った。 自分で余韻に浸りながら、目を閉じた僕は… 段々と意識が遠のいていき… そのままパタッと寝堕ちてしまった… 逆に、僕が動かなくなったのを良いことに… ちゃっかりサエゾウは、そのままの勢いで、 転がる僕をおかずにしながら 残りの部分の録音を強行していた。 「あれ、ちょっとあんまりなんじゃない…」 「さすがに可哀想になってきた…」 遅れて見学にきた、カイとシルクは、 その様子を小窓から覗いて呟いた。 とりあえず予定通り、全ての録音を終えて… サエゾウはギターを下ろした。 そして、転がる僕に近寄った。 「…カオル…カオル、大丈夫?」 「…う…ん…」 僕は、何とか目を覚ました。 「ごめんね、無理させて…でもお前のおかげで、すっげー良く出来た、ありがとうー」 そう言ってサエゾウは、僕の身体を抱きしめた。 よかった… 終わったんだ… 「で、ごめんねついでに悪いんだけどー」 サエゾウは、自分のズボンを脱ぎ始めた。 「すぐ終わるからさー挿れさせて」 言いながら彼は、閉じていた僕の両足を広げた。 「…」 残念ながら抵抗する気力もなく… なすがままに、僕はサエゾウのモノを受け入れた。 それはまた、 さっきまで僕を犯し続けたギターの音が、 現実に凝縮され僕を襲う感覚だった。 「…んんっ…ん…」 そのときの僕は、まだ朦朧としていたが… それでも、そのサエゾウのモノが突き上げる感触は、 僕の身体中の性感を、ズンズン呼び覚ました。 「…すぐ終わらせようと思ったのにー」 いきり勃っていく僕のモノを見て、 息を上げながら彼は言った。 「気持ちいいんなら…ちゃんとイかせなきゃねー」 そしてサエゾウは、僕のシャツを捲り、 僕の乳首に吸い付いた。 「…っ…あっ…」 ときどき腰を揺らしながら… 彼は、僕の両乳首を、舌と指で執拗に愛撫した。 それはまるで、ギターの音が絡み付くように… 身体中の快感を掻き乱し、昇り詰めさせていった。 僕はもう…イきそうだった。 ビクビクと震え、息を上げる僕を見下ろして、 サエゾウは、囁くように言った。 「俺のギター…悦かっただろ…」 「…ぁ…」 「お前…すっげーいやらしい顔してた…」 「…っ」 そんな恥ずかしい台詞が、また僕を更に突き上げた。 それからサエゾウは、ゆっくり身体を起こし、 両手を乳首に添えたまま、自分の腰を動かした。 「…っ…はあっ…ああっ…」 その瞬間…僕は…極点に達した。 「…イっちゃった…?」 言いながら、サエゾウは腰の動きを早め、 ほどなく、僕の中に吐き出した… 「…ここはスタジオで…彼等はレコーディングの真っ最中って事でいいんだよな…」 昨日から、小窓の向こうで繰り広げられる光景を、なるべく見ないようにしていたエンジニアスタッフは… 若干悶々としながら、録音した音をチェックする作業に追われていた。 「しかもあんなんで、この後ボーカル録りなんて出来んのかな…あの子」

ともだちにシェアしよう!