106 / 398

レコーディング2日め(3)

「カオルお疲れー」 「カオル大丈夫?」 「…」 「なんでカオルばっかりー…俺が頑張ったのにー」 妄想でも現実でも、 サエゾウに姦られ尽くされた感じな僕は… ロビーで、椅子を並べてもらって、 完全に横になってしまっていた。 エンジニアさんが、小部屋から出てきて言った。 「歌…どうする?…後日にする?」 「後日の方がいいんじゃない?」 「サエに相当いたぶられたからなー」 「…でも、すっげー良いの録れたんだからー」 僕は、力を振り絞って、起き上がった。 「…やります…」 「無理すんなよ…」 カイが言った。 「…大丈夫です…たぶん…」 シルクは、僕の顔を…マジマジと見つめた。 そして、言った。 「そーね、だいぶフラフラだけど、確かにテンションは良さそうだな…」 「…うん」 「じゃあ、予定通りで…セッティングするね」 そう言って、エンジニアさんは、 スタジオに戻っていった。 僕は、煙草に火を付けた。 「何か飲む?」 「…あ、はい…」 カイが、ハイボール缶を買ってきてくれた。 「…ありがとうございます…」 僕は、それを受け取り… 割と一気に、ゴクゴクと飲んだ。 「…ふぅー」 「ホントに大丈夫ー?」 「…はい、ちょっと元気も出てきたし…」 それから、少し考えて…僕は言った。 「…僕も、立ち合いお願いしてもいいですか?」 「えっ?」 「誰を?」 「俺ー?」 3人は、ガハッと身を乗り出して聞き返した。 「セッティングOKでーす」 と、そこへエンジニアさんが、声をかけてきた。 その声を聞いて、僕は立ち上がった。 「準備できたら呼びますね…」 ニヤッと笑ってそう言って… 僕はスタジオに入っていった。 「何ーあの…気を持たせる、ちょっとヤな感じー」 「あいつ、ほんとズルくなったよな…」 「…やっぱり、実は俺達の方が玩具なのかもね…」 3人は、顔を見合わせて、ふふっと笑った。 音量や、モニターの具合を調整して… 準備は整った。 そして僕は、扉を開けて… シルクを呼んだ。 「やっぱりシルクなんじゃんー」 サエゾウが、ちょっと悔しそうに言った。 「…いや」 シルクは立ち上がりながら言った。 「最初は、俺の曲だから…だろ」 そして彼はスタジオに入っていった。 「なーるー」 「そう言うことか…」 「じゃー俺の出番もあるってことね」 「たぶんね」 カイは、煙草に火をつけながら呟いた… 「それにしてもシルクって…カオルの事、すげーよく分かってるよな…」 スタジオに入ったシルクは、 ポケットからアイマスクを取り出した。 「…これ、使う?」 「…うん」 シルクは、僕にそれを被せた。 「俺は、どうしたらいい?」 僕は、彼に自分の左手を差し出して、言った、 「手を…繋いでて欲しい…」 「…ん、わかった」 シルクは、その手をギュッと握った。 「…もう、本番でいいですか?」 ヘッドホンから声が聞こえた。 僕は、小窓の方に向かって大きく頷いた。 「じゃあ、いきまーす」 そして、Dead Ending のイントロが始まった。 それぞれの音が重なって、 ちゃんと完成された演奏が流れてきた。 それは、視界を塞いだ僕の中に… いつも以上に、その景色を描いていった。 力強く繋いだシルクの手は、 僕の中の曲のイメージを、更に確実にしていった。 まさに完全に再現された映像の中で、 僕は…歌い上げていった… しばらくして、シルクが若干フラフラした感じで、 スタジオから出てきた。 「…どうだったー?」 シルクはそのままドカっと椅子に座った。 「…次は自分の曲だからいいって…」 「そっか…」 シルクは下を向いて、息を上げていた。 「…あいつの生歌…ヤバすぎる…」 「…」 「…そんなにか…」 シルクは、ブルブルと震えてしまっていた。 サエゾウは、そんな彼の様子を見て、 ニヤッと笑って言った。 「抜いたげよっか」 「…うん…」 そしてサエゾウは、シルクの腕を掴んで立たせて… 支えながら、奥のトイレに連れていった。 「あんなにシャキッとしてるあいつ、初めて見た…」 「…そうなの?」 個室で…サエゾウに、モノを咥えられながら、 シルクは呟くように言った。 「完全に、俺の方が姦られた…」 「…」 サエゾウは、そんな彼の様子を見上げて、 口を離して言った。 「…俺んときは…シルクが抜いてね…」 「…ん…」 そしてまた、彼はシルクのモノを咥えた。

ともだちにシェアしよう!