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デートのあとで(4)

いっぱい歩いて、いっぱい食べた事もあり… また、シルクと一緒っていう安心感も手伝って、 僕はそのまま、すっかり寝入ってしまった。 シルクは、僕と自分の身体を拭くと… 僕を仰向けに寝かせて、布団をかけた。 それから彼は起き上がって、 僕のズボンと下着を、洗濯機から取り出した。 (我ながら…やらしかったなー) 思いながらシルクは、それを干した。 (明日の…昼には乾くかな…それまでまた、あのエロいTシャツ着せとくか…) 1人でニヤニヤしながら… 彼はコップに水を汲んで、ゴクゴクと飲んだ。 そして部屋の電気を消して布団に戻ると… 僕の隣に潜り込んで、 肘をついて僕の寝顔を見下ろした。 (…ショウヤに、開発されたのか…) ちょっとだけ、面白くないような表情で シルクは僕の髪を撫でた。 (あいつ…ホントにむっつりだよなー) シルクは、笑いながら、少し溜息をついた。 (この先また…もしこいつが、他の誰かに犯られる事があったら…) (きっと無防備に…そいつの前で、あんな顔してイき捲るんだろうな…) シルクは、少したまらない気持ちになって… 僕の寝顔に顔を近付け…頬を擦り寄せた。 (それでも…またきっと、ちょっとすまなそうに…俺たちの所へ戻ってくるんだろうな…) 「…」 (いつまで…戻ってきてくれるんだろう…) ふと、そんな不安に駆られたシルクは… 力強く、僕の身体を抱きしめた。 (離したくない…) うっかり…そんな気持ちが、彼の頭に湧き上がった。 「…」 彼は、ゆっくり僕の身体から手を離すと… 黙って首を横に振った。 (はっ…何考えてんだ…俺…) そして彼は、仰向けになって…天井を見つめた。 (…こいつを可愛がるのは、バンドのためだよな…) 自分に言い聞かせるように、頭の中で呟きながら… やがて、シルクも目を閉じた。 (また…曲作ろう…) そんな事を思いながら… やがて、彼も…眠りに落ちた。 ピンポーン… 「…ん…」 呼び鈴の音で、僕は目を覚ました。 辺りはすっかり明るくなっていた。 ピンポーン… 何か鳴ってる… 僕は咄嗟に、隣で寝ているシルクを揺さぶった。 「シルク、誰か来たよ…」 「…んー」 「起きて、誰かピンポンしてる!」 「うーーん…」 ダルそうに、彼はもそもそと起き上がって… 玄関に向かった。 何やら、ドサドサと音がして… そしてほどなく、シルクは、 大きな段ボールを抱えて戻ってきた。 「…よいしょっと…」 それを部屋の空いているところに置くと… 彼は再び、布団に入ってきた。 「…荷物…?」 「…ん…仕事…」 そうだった… ここは、食堂じゃなくて、工房だった… 「…開けなくていいの?」 「んー」 シルクは僕の頭を抱き寄せ…足を絡めた。 「…なんで履いてないの?」 「もうーシルクが強行したからじゃんー」 「…そーだった」 言いながら…彼は僕に口付けた。 そして、片手を僕の下半身に這わせてきた。 「…んっ…」 少しビクッとしながら… 僕は自分の腕を、シルクの背中に回した。 「…乾くまで帰れないんだったよな」 シルクが思い出して、言った。 「…いいけど…どうせ今日休みだし」 「じゃあ居て…」 僕の身体を、強く抱きしめながら…彼は言った。 「…仕事…ちょっと頑張るから」 「…うん」 しばらく黙って、 そのまま僕に貼り付いていたシルクは… 急に…思い切って覚悟を決めたように、 バサっと起き上がった。 そして、いつものように…煙草を吸いに行った。 「…」 僕もゆっくり起き上がって… 彼の後を追った。 シルクの隣で… 僕は、またちょっと恥ずかしい格好のまま… 煙草に火を付けた。 「何の仕事?」 「機械の修理…」 「時間…かかりそうなの?」 「うーん…見てみないと分かんない…」 彼は、とても面倒くさそうな表情をしていた。 煙草を消すと… シルクは、そこに干してある僕のズボンを触った。 「…まだ乾いてないなー」 「…」 「そーだ、またあのシャツ着せようと思ってたんだ」 「…えーあの…微妙な長さのやつー?」 シルクは…揚々と、戸棚を漁りに行った。 「はい」 「…」 「だって、その格好じゃ、恥ずかしいでしょ」 「…似たようなもんだけどな…」 僕は致し方なく…それに着替えた。  「…」 「いーねー」 ああ…エロ親父よ… そしてシルクは…さっきそこへ置いた段ボールを、 張り切って開け始めた。 「…僕は、どうしてたらいいですか?」 「別にテキトーにウロウロしてて…寝ててもいいし」 「…」 「たまに目に入るだけでも、ヤル気出るわ」 あーそうですか…

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