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リハと新曲(2)

「大丈夫…じゃないよな」 「…」 僕はまた、いつものように… 処理必須な状態に陥っていた。 「しょーがないなー譲るよー」 珍しくサエゾウが引き下がった。 先日、失神まで追い込んだことが、 余程嬉しかったらしいのか… 俺はそんなにガツガツしてませんって顔で、 ふふふん…と、笑いながら… 彼はさっさとカウンターに向かった。 「何…あの感じ…」 「こないだお持ち帰ったからな…きっと何か良い事あったんじゃないの?」 シルクは、そう言いながら、 僕の上半身を起こした。 「…んんっ…」 僕はビクビクっと震えた。 「撮影でもいっぱい絡んでたしな…」 言いながらカイが、僕のズボンを脱がせた。 「…は…あっ…」 カイは、いきり勃った僕のモノをそっと握ると、 それをゆっくり上下に扱いた。 「んんっ…あっ…ああ…」 僕は顔を歪めながら、ビクビクと喘いだ。 シルクが後ろから、僕の胸元に手を這わせた。 そして、僕の耳元に口付けた。 「はあぁっ…」 僕は、更に大きく身体を捩った。 「…あーもう…何でそんな挑発するかな…」 言いながらカイは、僕の両足を開いた。 そして自分のズボンを膝まで下ろした。 「処理するだけにしとこうと思ったのに…」 そんなカイを見て… シルクが更に、僕の耳元で囁いた。 「カイが勃っちゃったって…」 「…んんっ…」 吐息混じりのシルクの言葉に、 僕の身体は一層震えた。 そしてカイは、僕の腰を持ち上げると… 僕の中に、 いきり勃ってしまった自分のモノを押し込んできた。 「んんんっ…あっ…あっ…」 シルクの指が、僕の乳首を捉えた。 また、その刺激と相まって… 僕は一気に昇り詰めてった。 それを見たカイは、いつものように… 激しく腰を動かして、僕を責め立てた。 「はぁっ…あっ…あっ…あああっ」 ほどなく、敢えなく僕のモノは、 愛液を吹き出した。 カイもそのまま、激しく抽挿を繰り返して… 僕の中に吐き出した。 「…はぁ…はぁ…」 息を上げる僕の身体を、 シルクは、そっと仰向けに寝かせると、 僕のシャツを整えてくれた。 「カイーおかわり欲しいー」 カウンターから、サエゾウが叫んだ。 「俺も…」 言いながらシルクも… 立ち上がって、カウンターに向かった。 致し方なく…カイは、 僕の中から、自分のモノをスッと引き出した。 彼は、僕の身体を拭きながら… 他の人には聞こえないくらい、小さい声で言った。 「…いつか、俺もお前を失神させてやるから…」 「…っ」 それを聞いて…僕は、 余韻に震えながらも、胸がキュンとしてしまった… カイは僕に、ズボンを手渡して立ち上がった。 自分もしっかりズボンを履き直しながら… カウンターに向かっていった。 「…」 その後ろ姿を見ながら… 僕はまた、少したまらない気持ちになってしまった。 ズボンを履いて、カウンターに行くと… 僕の分のおかわりも出されてあった。 「…ありがとうございます…」 僕らは小さく乾杯した。 「いい感じに仕上がったねー」 「皆さんのおかげです」 「次のLIVEでやれそうだな…」 「セトリ…どうするかなー」 「カイの神様の曲さあ、ラストに持ってってもいいんじゃないー?」 「そーだな…そろそろ違うラストにしたいよな」 「なるべく、シキが歌ってた曲は外していきたい…」 カイが、割と強い口調で言った。 「うん」 「俺もそう思うー」 「…でも、あの最後のサエさんの曲…割と人気あったんじゃないですか?」 僕は、少し不安気な表情で訊いた。 「大丈夫…もっと良い曲あるからー」 サエゾウは、ニヤッと笑って言った。 「もっと良い曲に、カオルに歌乗せてもらうからー」 「…」 「ファンの子達も、分かってくれてると思うよ…」 「うん…なんだかんだ言って、今来てくれてる子達は、皆カオルを推してるから…」 「…」 それでも僕は、 やっぱりまだ不安を拭い切れなかった。 そんな僕の表情を見て、3人が言った。 「いいんだよ、別にお客さんなんか居なくても」 「やってる俺らが楽しいのがイチバンでしょ」 「そーゆーことー」 「もしそれで離れてしまう人がいたとしても…俺らが楽しくやってれば、またきっと新たについてきてくれる人がいるかもしれないからね…」 「…」 彼らがそんな風に言ってくれることが、 僕は本当に嬉しかった。 「だいたいさーお前が毎回、もっとサッと出てこれたら、めっちゃお前ファン増えると思うー」 「あはははっ…だよなー」 「…」 「…損な体質だな…」 シルクが、ふっと笑いながら言った。 僕はやっぱり… 何も言い返せなかった。

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