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因縁の打上げ(3)

とりあえず、いったん泣いて… スッキリ落ち着いた僕は、 再び何事もなかったように、食べ始めた。 「カオルが、ガツガツ食べててくれると、何か安心するよな…」 カイが呟くように言った。 「ホントだよね…」 ハルトも同意した。 「俺もガツガツ食べるー」 そう言いながら、サエゾウも… 相変わらず食べるスピードが落ちなかった。 「ちなみに…次の撮影は、いつがいいですか?」 「あーそうだよな…まだ、あと半分残ってるんだもんな」 「次は何撮るのー?」 「とりあえず神様いっちゃおうかと思います、ウチのスタジオで…」 「また衣装ポチんなきゃ…」 ハルトが嬉しそうに、スマホを見始めた。 「演奏シーンは、またあのスタジオで、別の日になりますが…」 「酒飲めないやつね…」 彼らがそんな話を進めているのを、 飲み食いしながら聞いているうちに… 僕は、だんだんと眠くなってきてしまった。 カタンッ… 僕は、うっかりウトウトして、 フォークを落としてしまった。 「何、寝てんの?」 「…ううん…寝てない…」 僕は、ポーっとしながら答えた。 「こないだのショウヤみたいに、落っこちたら危ないからな…」 言いながら、シルクは立ち上がって… すぐに布団を敷き始めた。 「落ちる前に横になっといて…」 「ううん…大丈夫…大丈夫だから…」 僕はそう言って… 必死に目を開けて、皆の顔を見回した。 「…」 そんな僕の様子を見て… ショウヤは、静かに笑いながら… 穏やかな声で言った。 「カオルさん…皆カオルさんの身体を心配してるんですよ…」 「…」 僕は、ショウヤの方を見た。 彼は続けた。 「…それでも…ヤって欲しいんですか?」 「…」 全てを見透かした彼の言葉に… 僕は黙って小さく頷いた。 皆、黙ってしまった… しばらくして、シルクが口火を切った。 「しょうがないなー」 言いながらシルクは、僕の腕を取ると、 そのまま僕の身体を、布団にバサッと寝かせた。 彼は僕を見下ろして… 優しく微笑みながら、言った。 「ちゃんと上書きしといてやるから…寝てていいよ」 「…」 そしてシルクは、カイとサエゾウに目配せした。 「今日も、皆は我慢してたのに…って、カオルさん ずっと気にしてましたよ…」 ショウヤも、皆に向かって…続けた。 「…」 それを聞いて、カイが立ち上がった。 そして、僕の傍にしゃがんで… 僕の髪を撫でながら言った。 「疲れてるお前に、優しくできないけど…?」 「…」 僕はカイを見上げて、力無く…ふふっと笑った。 「激しく…してください」 そう言って…僕は目を閉じた。 それを聞いた途端に… カイは、僕の頭を力強く抱きしめた。 カイの…ぬくもりを感じながら、僕は… あのときの、震えていた拳を思い出した。 向こうでサエゾウが、 小さい声で言った。 「カイはね…責任を感じてるんだ…自分が、今日のLIVEを受けちゃったからー」 「余計な事言うな…」 カイが、少し怒ったような口調で言った。 「…ちゃんと…出来てました?…僕…」 僕は、今にも寝入りそうな、か細い声で訊いた。 カイは、顔を上げて… 再び僕を見下ろしながら答えた。 「ああ…予想以上によく出来てたと思う…」 それを聞いて… 僕は安心して、穏やかに微笑むと… カイに向かって、両腕を上げた。 そして、彼の背中を抱きしめながら… 囁くように言った。 「カイさんに褒められるのが…いちばん嬉しいです」 「…」 それを聞いたカイは、たまらない表情で… 勢いよく、僕に口付けてきた。 「…んっ…んん…」 よく知ってる…激しいくちびると舌の感覚に… 僕は気持ち良く、身体の力を吸い取られていった。 「なーんか深妙な感じんなっちゃったけど…結局、処理していいってコトだよねー」 言いながら、サエゾウも立ち上がった。 「うん…好きにヤったらいい…」 シルクは、 ハイボール缶を飲みながらしれっと言った。 「何ーその…俺は後でゆっくりヤります的な態度ー」 サエゾウは、また若干プンプンしながらも… 僕の側に回ってきた。 口を離れたカイは、僕のズボンに手をかけていた。 「手伝うー」 言いながらサエゾウが、 僕のシャツのボタンを外していった。 「いっぱい上書きするー」 そして僕の胸元を弄りながら… サエゾウも、僕に口付けた。 「んんっ…ん…」 力を吸い取られた身体に… サエゾウのいやらしい舌と、乳首を玩ぶ指使いが… ゾワゾワと快感の波を沸き立てていった。 僕は、ビクビクと震えた。 ズボンを脱がされ… カイの目の前に露わになった僕のモノは、 すぐにビクビクと、いきり立ってしまった。 「カオルさんが、ちゃんとメンバーとしてるの見ると…安心します…」 こっちで、まだ飲みながら… ショウヤがポソッと呟いた。 衣装を探す振りをしていたハルトが… 自分のスマホを、カタンとテーブルに置いた。 「安心して、ショウヤも勃っちゃった?」 「…」 「また、俺で良ければ…挿れていい?」 「…はい」 「うん…好きにヤったらいい…」 シルクは、またしれっとそう言って… 立ち上がって煙草を吸いにいってしまった。

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