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悩めるショウヤ(4)
そんな不穏な動きが起こっているとは知らず…
ショウヤは、黙々と…編集作業に没頭していた。
前回のアレを踏まえて…
彼は最初から、裏神様の編集に取り掛かっていた。
それはもう…好きなように宴会からの、生贄姦られる流れだけで、1曲分の時間を大幅に上回ってしまった。
(あーもう…全然時間が足りないな…)
所々切ったり…速度を速めたりしながら…
彼は、まずはその一連の流れを、何とか曲内に収める努力をしていった。
(カイさん…激しくていやらしいなー)
(あーサエ姫って…残酷だよなー)
(あーコスプレハルトさんの攻めもたまらない)
(僕がかける場面も入れとかないとな…)
そして、最後の…シルクの場面になった。
「…」
(やっぱカオルさん…シルクさんが好きなんだな…)
画面を通して、シルクに挿れられる僕の表情から…
ショウヤにとって、それはあまりにも分かりやす過ぎた。
ショウヤは立ち上がって…キッチンにレモンサワーのおかわりを取りに行った。
一応ティッシュも持ったものの…
彼はちょっと躊躇ってしまった。
(あんなに分かりやすいカオルさんで、果たして抜けるんだろうか…)
ショウヤは、少ししょんぼりした表情で…
再びPCの前に座ると、レモンサワーの缶を開けた。
それでも最期に…僕が失神する瞬間の表情を観て…ショウヤは、自分の中に、熱く込み上げるものを感じずにはいられなかった。
(…やっぱり…好きなんだな…僕も…)
思いながら彼はひとりで、ふふっと笑った。
気を取り直して、
レモンサワーをゴクゴクっと飲むと…
ショウヤは逆に、本編の編集に取り掛かかった。
(ウサちゃんから始めよう…)
イントロには、まだ誰もいない宴の会場と、可哀相に刺されるウサちゃんの画を入れた。
そして、宴を囃し立てる…地味な生バンドの画…
からの…怪しげな宴の始まりを予感させていった。
基本、宴の流れと演奏を流しながら…
随所にそれぞれのソロ画を差し込んでいく…
(うん、ハルトさんと僕も入ってよかった…すごく賑やかな雰囲気になってる…)
賑やかな宴がじわじわとが進み、だんだん生贄が虐められていく中…淡々と生バントの演奏が続く感じで2番は進んだ。
ギターソロ前には、実際にはドロドロで…祭壇に放置された画と…再びウサちゃんを登場させた。
ギターソロは、サエ姫を前面に押し出しながら、華やかな宴の静止画を差し込んでいった。
そして…窓の外に立つ貴方の場面…
(…本当は、誰かさんなんだろうけどな…)
思いながらもショウヤは、敢えてその誰かを描く事なく、僕の表情だけで…その存在を匂わせる風にもっていった。
(だって…画面の向こうの、誰もが皆、カオルさんに手を取って欲しい筈だもんな…)
そのあとのサビでは、僕が画面に向かって手を伸ばす画を中心に…ひたすら生贄にされる場面を、上手く切り取って差し込んでいった。
(うん…本編だけでも…割と抜けちゃうかも…)
最後は…まるでそれまでの宴が、夢か幻かだったかのように…ひとり、祭壇を見上げる僕の画で、終わった。
(いい感じにまとまった…)
そしてショウヤは、
再び本命の裏神様に取り掛かかった。
(もう、ストーリーとか考えるのはやめよう)
彼は、ただただ…エロい画、欲しい画を、次々と繋げていってみた。
(お、意外にいいかも…)
たまに、背景的に…申し訳程度に演奏してる場面を入れる事で、曲に合わせてますっていう雰囲気を醸し出した。
絡んでいる画の上にに、それぞれの表情のアップをぼんやりと重ねてみたり…
逆に表情を捉えている画の上に…指先の動きのアップを重ねてみたり…
それはそれはもう…
とてもエロい動画が出来上がっていった…
完成を待たずして、ショウヤのモノは…
完全にいきり勃ってしまった。
「はぁ…はぁ…」
マウスを握りながら…
彼はもう片方の手で、自分のモノを引っ張り出した。
(ああ…カオルさん…)
「…んっ…んんっ…」
ショウヤはビクビクと震えた。
そして…ティッシュに手を伸ばした…
自分のモノを拭くと…彼は再び立ち上がり、キッチンに向かった。
いったん大きく伸びをしてから、またレモンサワーを持って、PCの前に座った。
(よし…あともうちょっとだ…)
最後のサビでは、哀願する僕の表情と…手を伸ばす僕のアップをふんだんに入れつつ…無修正に犯される場面を、速い速度でガンガン流していった。
(これでもかってくらい、エロくしてやる)
そしてやっぱり最後は…
失神する瞬間の僕の様子を…バッチリ入れた。
(失神させたのがシルクさんっていうのがなー)
「…」
(いやでも、間違いなく、ここに到達する以前にイっちゃうな…)
「よし!」
ショウヤはそれをファイルに落として、カイに送った。
作曲者特権…裏神様できました
本編の方は、チェック中ですので後日
「ふうー」
大きく溜息をつくと、
ショウヤは改めて…裏神様を見返した。
(うん…うん…)
そしてまた、自分のモノに両手を伸ばした。
「これが噂の、裏バージョンか…」
裏神様を受け取ったカイは…
早速それを再生した。
「すげーな…」
観ながらカイは…いやらしくふふっと笑いながらも、何ともたまらない気持ちになった。
サエゾウの前では平静を保っていたものの、胸に込み上げる、とてつも無い不安に、密かに彼も押し潰されそうになっていたのだった。
(お前を渡したくない…)
手を伸ばす僕の画面に触れながら…
カイは、勃つより先に…涙を溢していた。
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