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アヤメと打合せ(2)

「お前と…こんな風に、最初からちゃんとヤるのは初めてだよな…」 そう言いながらアヤメは、 再び僕に口付けた。 「いつもお前が、既に勃っちゃってたからな…」 「…っ」 「…俺、お前を勃たせられんのかな…」 「…」 彼は…僕のシャツのボタンを、ひとつひとつ外すと…その隙間から、そっと手を滑り込ませた。 「…んんっ」 アヤメの指が、僕の乳首に触れた。 僕は、ビクビクッと身体を震わせた。 それを見た彼は、ゆっくり指先で、そこを転がしながら…もう片方の手でシャツを開き、露わになった乳首に口を寄せた。 「はぁっ…あっ…」 両方の乳首を愛撫されて… 僕はいつものように…声を上げて身体をよがらせた。 「気持ち良いの?」 乳首を舐めながら、 アヤメは顔を上げて、僕の顔を見た。 「…あっ…んんっ…」 僕は小さく頷いた。 いつまでもそこを愛撫しながら… 彼はもう片方の手を、僕の股間に滑らせてきた。 「はああっ…あっ…」 彼の手が…ズボンの上から僕のモノに触れた途端に、僕はビクビクと震えて、声を上げた。 「…よかった…ちゃんと勃った…」 言いながらアヤメは、ズボンの中に手を入れてきた。 「んんっ…あっ…あ…」 彼の手が、直に僕のモノを捉えた。 乳首の刺激と相まって…僕のそれは、すぐにいきり勃ち…すぐに昇り詰めた。 「ああっ…もう、出ちゃいます…」 言いながら僕は、自分で自分のズボンに手をかけた。 「脱がせて欲しいの?」 「…っ」 僕は頷いた。 アヤメは、ニヤッと笑いながら… 僕のズボンを脱がせた。 そして彼は…尖を濡らしていきり勃つ、僕のモノをそっと握って言った。 「…舐めていい?」 「…んんっ…」 僕はビクビク震えながら…恥ずかしそうに、片手の甲で口を覆った。 アヤメは、まるで味わうかのように… 僕のモノに舌を這わせた。 「はぁっ…んんんっ…」 僕はもう全然もたなかった。 彼に舐められる僕のモノは、すぐに愛液を吐き出してしまった。 「…はぁ…んっ…ごめん…なさい…」 僕は思わず謝ってしまった。 「ちゃんとイかせられてよかった…」 アヤメは言いながら、僕の液を拭った。 「もっと舐めてていい?」 「…っ」 そう言って彼は、再び僕のモノを… 今度はしっかりと咥え込んだ。 「んんっ…んっ…」 口に僕のモノを含みながら… アヤメは、僕の秘部に指を這わせた。 「あっ…あ…」 その指が、ゆっくり僕の中に侵入してきた。 「はぁっ…あっ…」 それはすぐに、僕の気持ち良いポイントに到達してしまった。 彼の指に、グリグリとそこを刺激され… 僕の身体は再び、快感の波に熱く湧き立った。 「挿れていい?」 アヤメが囁いた。 僕は口を覆いながら…頷いた。 彼は、僕の中からスッと指を抜くと、自分のズボンを脱ぎ捨てた。 両足を大きく開かれ、指の代わりに…いきり勃ったアヤメのモノが、僕の中にねじ込まれてきた。 「んんっ…あ…ああっ…」 そのときだった… それまで、ただのBGMくらいにしか聞こえていなかったアヤメの曲が、ようやく僕の中にスッと入ってくるような気がした。 微かにメロディーも聞こえた。 「ア…ヤメ…さん…」 僕は、彼に向かって手を伸ばした。 アヤメは、その手をしっかりと繋ぐと、自分の腰を激しく動かした。 「はぁっ…あっ…あ…」 「んん…あっ…はぁっ…」 お互いに見つめ合いながら、 僕らはその快感に声を上げた。 ほどなく…アヤメは大きく震え… 僕の中に吐き出した。 ほぼ同時に、僕もまた…極点に達した。 「はぁ…はぁ…」 「…はぁ…はぁ…」 息を上げながら… アヤメは、そのまま僕の上に覆い被さった。 彼と繋がったままの僕の身体に、彼の曲が…ドロドロと流れ込んでくる気がした。 ああ…やっぱり… 繋がるから聞こえるんだ… 「…」 それでも、トキドルの曲には及ばなかった。 唯一無二の歌詞とメロディーが、聞こえてくる感覚には至らなかった。 僕は、少しだけ安心した。 やっぱりあの人達は特別なんだ… 「アヤメさん」 「ん?」 「それぞれの曲の…テーマとかイメージとかを教えてください」 「歌、出来そう?」 「僕なりに考えてみます…」 「うん、任せる…」 身体を拭いて…僕らはそのままの格好でベッドに並んで横たわった。 流れる曲を聴きながら…アヤメは、それを、ひとつひとつ解説してくれた。 なるほど… さっきの情交のおかげも手伝って…僕はそれを、とても理解する事ができた。 「こんな感じですかねー」 たまに口ずさんだり…歌詞を提案したり… 僕はノートとペンを持ち込んで、寝転がったまま、思いつくままをメモしていった。 毛布にくるまって、2人でそうする作業は、とても心地良く、楽しかった。 どちらかと言うと、偉くて畏れ多いイメージだっアヤメさんが、段々と身近に感じられるのも嬉しかった。 逆に…聞こえないメロディーを、考えるっていうのは久しぶりだったのだ。 それはそれでまた、ミュージシャンにとっては、とても楽しい作業に他ならないのだ。

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