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いつもと少し違う2人

気が付くと…見慣れた暗い天井が広がっていた。 僕は記憶を辿りながら…隣を見た。 シルクが、背中を向けて寝ていた。 僕は、安心して…彼の背中に顔を擦り寄せた。 「どっか痛いとこない?」 背中を向けたまま…シルクが言った。 起きてたのか… 「大丈夫…」 そう答えながら…僕は更に、シルクに身体を寄せた。 「サエに手ひどくヤられたからな…」 モゾモゾと、こっちを向きながら彼は言った。 「痛くないなら…よかった」 僕は、安心して…甘えるような目で、シルクを見つめた。それはたぶん、シルクのこと大好きって顔だったと思う。 「…」 それを見た彼は、ふっと笑うと…またすぐに仰向けに向き直って、目を閉じた。 「…」 僕は、少し寂しい気持ちになった。 いつもなら…抱きしめてくれるのに… やっぱりシルクは、あの時から…僕に一線を引こうとしている… 隣にいるのに…何だか彼が、とても遠くに行ってしまったような気がした。 抱きつきたいのに…触りたいのに… 僕は、手が出せなかった。 特に何も気にしていないように、シルクが喋り始めた。 「お前がぶっ倒れたあと、裏鑑賞会んなってさー」 「えっ…裏って…あの?」 「結果、ハルトとショウヤが処理し合ってた」 「あははは…何だかんだで仲良いよね、あの2人…」 「カイとサエも…仲良く帰ってたから、あの後なだれ込んだかもしれないな…」 「ふふっ…そうなんだ…」 そして僕は訊いた。 「…シルクは?…大丈夫だったの?」 「んー何とか持ち堪えた」 「…じゃあ…ヤりたいんじゃないの?」 「…」 黙ってしまったシルクに向かって、僕は続けた。 「それに…シルクには…まだちゃんとお仕置きされてないし…」 それを聞いた彼は、顔だけ僕の方に向けて言った。 「ヤりたいの?」 「…」 僕は彼から目を背けると…恥ずかしそうに俯きながら、小さい声で答えた。 「…うん」 シルクはまた上を向くと、大きな溜息をつきながら言った。 「何でそう、なし崩し的になっちゃうかなー」 「何でって…何で?」 それを聞いた僕は、バッと身体を起こした。 「僕は玩具なんでしょ?…何でヤっちゃダメなの?」 「…」 シルクは黙って目を閉じていた。 「サエさんとだって、カイさんとだって…2人のときはヤるのに…何でダメなの?」 「…」 「ショウヤさんとだってする…ハルトさんとは、まだ2人になった事ないけど…もしそうなったら、絶対する…」 「…」 「同じでしょ?…何でシルクとはダメなの?」 しばらく、目を閉じたまま考え込んでいたシルクは…ようやく目を開けて、僕の方を見た。 「ふふっ…そうか、同じか…」 同じじゃない! 少なくとも僕の中では同じでは…なかった。 それでも僕は、その言葉を飲み込んで… 静かに言った。 「うん…シルクがサエさんとヤるのと、同じ…」 「わかった…」 そう言うと…シルクは、僕の方を向いた。 「持ち堪えた分、処理させてもらうか」 「…」 それを聞いて、やっと僕はシルクに向かって両手を伸ばした。 彼の頭を抱きしめると、思い切り彼に口付けた。 「…んっ…」 激しく舌を絡め合ううちに、シルクの手が、僕の髪を撫でてきた。僕はもう、たまらなくなって…そのまま彼の上に覆い被さった。 口を離れたシルクは、僕を押し退けて身体を起こすと、逆に僕の身体を押し倒した。 シルクに見下ろされている… それだけで、僕の胸は…心地良い寒気に襲われ、えぐられるように勝手に高まっていった。 シルクは、僕の胸元に顔を埋めた。 「んんっ…あっ…」 舌と指で、両方の乳首を愛撫されて…ただでさえ高まっていた僕の身体は、あっという間に快感の波でいっぱいになった。 僕はビクビクと身体を震わせた。 「気持ちいい…すごく…気持ちいい…」 「何…もう欲しいの?」 「欲しい…シルクの…欲しい…」 「ちょっとせっかちなんじゃない?」 笑いながら彼は、乳首に指を這わせたまま…もう片方の手を僕の股間に滑らせた。 「あっ…はぁっ…」 「俺も…だけどさ…」 言いながらシルクは身体を起こすと、自分のズボンを脱ぎ捨てた。 彼は勢いよく僕の両足を開いて、僕の中に自分のモノを押し込んできた。それは既に…もう十分にいきり勃っていた。 「ああっ…んっ…あっ…」 じわじわと、それは僕の中を刺激した。更なる快感が、僕の身体中に渦を巻いた。 「…シル…ク…」 手足の指先まで、快感の渦に侵食されて…僕は、ただただ…ビクビクと震え続けた。 そんな僕の様相を見ながら、息を上げたシルクは…ゆっくりと腰を動かして、何度も僕を突いた。 「…っ…あっ…はぁっ…」 奥に突かれるたびに声を上げながら…僕は、極点の手前の途轍も無い快感の真っ只中を、いつまでも彷徨い続けていた。 「…トドメ…刺していい?」 息を荒げながらシルクが言った。 「…やだ」 僕は思わず首を横に振った。 そんな僕の顔を見て…彼のモノが、僕の中で激しく脈を打った。 「んんっ…あっ…」 結果…その刺激が、トドメになってしまった。 震える両手を、僕はシルクの背中に回した。 シルクは、僕の顔を両手で押さえ付けた。 「はぁ…あっ…シルク…」 「んっ…あっ…カオ…ル…」 見つめ合いながら…呼び合いながら… 僕らは…ほぼ同時に絶頂を迎えた。

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