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ユニットのリハ(3)
それから、文字通り僕をベッドに押し倒したアヤメは…僕の服を脱がせると、自分の服も脱ぎ捨てた。
「お前の身体に…俺をしっかり刻みつけたい…」
言いながら彼は、僕の上半身を両手で撫で回した。
ギター弾き特有の、硬い指先が…僕の弱い部分に触れるたびに、僕はビクビクと身体を震わせた。
「あいつらみたいに…曲でお前を感じさせるようになりたい…」
「…んっ…んん…」
その思いは、僕も同じだった。
身体の中に快感を湧き立たせるアヤメの指使いに…僕は彼のギターの音をリンクさせていた。
サエゾウとは違う…線が細いようで深い彼のギター…というか愛撫は…まさに何処か鬱蒼としたものを感じさせた。
それは少しずつ着実に、僕の身体を侵食していった。
僕のモノは、その快感に…熱く脈を上げた。
僕の乳首を、舌と指で転がしながら…アヤメは、わざと自分のモノを、いきり勃った僕のモノに擦り付けてきた。
「はぁ…あっ…んんんっ…」
僕はビクビクと、身体を震わせた。
「…気持ち…いい…あっ…出ちゃい…ます…」
それを聞いたアヤメは、上半身を起こした。
乳首への愛撫を止めないまま…更にいやらしい感じに、自分のモノで、僕のモノを擦った。
「あっ…あああっ…」
敢えなく…僕のモノから愛液が噴き出した。
「…ヤバい…俺も気持ちいい…」
言いながら彼は、乳首から手を離すと…僕の両足を開いた。
余韻に浸る間も無く…アヤメのモノが、僕の中にぐいぐいと突き刺さってきた。
「はぁっ…あっ…」
それはすぐに奥まで到達して…僕の気持ち良いポイントを、ドクドクと脈打ちながら刺激してくるのだった。
「…あ…んんっ…」
僕の身体は再び、そこから湧き立つ快感の波に飲まれていった。
「この…感覚を覚えてて…」
「…っ…」
「俺と…ひとつになってる感覚…」
「…」
僕は必死に目を開けて…アヤメを見た。
「もっともっと…気持ち良くさせたい…
言いながら彼は、少しずつゆっくりと…腰を動かした。
彼の大きく膨張したモノが、僕のそのポイントをじわじわと刺激するたびに…僕はビクビクと身悶えた。
「はあっ…ああっ…」
何度も快感を逆巻かれて…
僕は何度もその絶頂に溺れた。
何度目かの抽挿で、アヤメは、大きく身体を震わせた。
僕の奥までいっぱいになった彼のモノから、生温かい感覚が、僕の中に広がった。
「はぁ…はぁ…」
アヤメは、その余韻に…大きく息を荒げた。
「…っ…アヤメ…さ…ん…」
止め処なく湧き上がる快感に…朦朧としながら、僕は…絞り出すように彼の名を呼ぶと…また、いつもよのうに、何も分からなくなってしまった。
「カオル?…カオル…」
アヤメが僕を呼ぶ声が…段々と遠のいていった…
ようやく気付いて、目を覚ますと…
目の前に、心配そうに僕を覗き込むアヤメの顔があった。
「…」
「カオル!…大丈夫?」
「…」
僕は、小さく頷いた。
「あーよかった…急に動かなくなっちゃったから、ビックリした…」
アヤメは、心底ホッとしたように言った。
「…すいません…時々、そうなっちゃうんです…」
「そうか…あのLIVEの後は、疲れて寝ちゃったのかと思ってたけど…そう言う事だったのか…」
「…アヤメさんに挿れられたのが…気持ち良過ぎたんです…」
僕は、恥ずかしそうに…小さい声で言った。
「…」
それを聞いて、アヤメはバタッと僕の隣に仰向けになった。
「あいつらはスゴいな…」
「…えっ」
「そんだけお前を開発してるって事だろ?」
「…」
そうなのか…?
ショウヤさんのせいって気もするけど…
アヤメは、僕の首の下に腕を滑り込ませると…僕の頭を自分の方へ抱き寄せた。
「俺の事も…ちょっとは好きになった?」
「…」
僕はまた…やっぱり答えに詰まってしまった。
「あいつらに負けないくらい、気持ち良くさせてやる…少なくとも、このユニットで活動してる間は…」
「…」
「お前のために…ギターを弾かせて」
「…」
「そしたら…前みたいに…いや、それ以上に弾ける気がする…」
「…」
「俺の勝手ばっかり言って…ごめん…」
言いながら、アヤメは、僕に口付けてきた。
そのくちびると舌の感触は…それまで彼に愛撫された身体のあちこちに残る感覚と相まって、僕の身体中に…じわじわと染み渡っていった。
「…んっ…ん…」
その心地良さに酔いながら…僕は、こないだのショウヤの言葉を思い出した。
(メッチャ頑張ってくださいね)
そうだ…僕が頑張れば頑張るほど、トキドルのためになるって…予言者ショウヤが言ってくれたじゃないか。
その瞬間…ふと、僕の中に…
今までに無かった感覚が浮かんだ。
それは…くちびるを通して僕の中に流れ込んで来るアヤメを、更に身体中いっぱいに溢れさせていくような感覚だった。
まるで…
あの人たちに口付けられているような…
ああ…僕は…トキドルだけではなく、アヤメさんをも受け入れられる身体に、なってしまうんだな…
そんな風に…少し寂しく思いながら…僕は、彼の口付けに、どんどん身体の力を奪われていった。
ゆっくり口を離れたアヤメは、ポーッとした僕の表情を見ると…嬉しそうに言った。
「あ…ちょっと俺の事好きって顔になった…」
はい…
何とか受け入れ体制整った感じがします。
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